関西医科大学第二内科の稲見則仁氏

 治療中の脂質異常症患者を対象に、エイコサペンタエン酸EPA)とスタチンの長期併用投与をしたところ、血小板由来マイクロパーティクルに有意な低下が認められることが確かめられた。関西医科大学第二内科の稲見則仁氏らの研究成果で、第72回日本循環器学会総会・学術集会において、3月28日のポスターセッションで発表された。

 白血球や赤血球、血小板、血管内皮細胞からは、活性化された際に微小な膜小胞体(マイクロパーティクル)が遊離する。なかでも、血小板由来のマイクロパーティクル(PDMP)は、2型糖尿病患者で検出頻度が高く、血栓性を亢進するとともに接着分子の発現促進を介して動脈硬化の発症に関与することが知られている。また、血中PDMPはELISA法にて比較的容易に測定できることから、動脈硬化症血栓性疾患の新しい臨床マーカーとして期待されている。
 
 稲見氏らは、こうしたPDMPに注目し、EPAの作用機序にアプローチを試みた。対象は、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)糖尿病薬、抗血小板薬で治療されていた脂質異常症患者である。これらを2群に割り付けし、一方には2mg/日のピタバスタチンを(スタチン群、n=120)、もう一方には同薬と1800mg/日のEPAを追加して(EPA併用群、n=89)、6カ月間追跡した。

 結果として、両群ともに血清脂質プロフィールやアディポネクチン値の改善が認められ、動脈硬化の予防に有効であると考えられた。ただし、PDMPに関しては、スタチン群では改善が認められず、EPA併用群においてのみ有意かつ著明な低下が示された。

 以上のことから、スタチンとEPAの併用療法では、より強固な抗動脈硬化作用が期待でき、脂質異常症患者における血管合併症の進展抑制に有用であると示唆された。