東京女子医科大学循環器内科の金井佐恵子氏

 東京女子医科大学循環器内科の金井佐恵子氏らは、エイコサペンタエン酸EPA)がモデル動物の動脈中膜石灰化を抑制するとした研究成果をまとめ、第72回日本循環器学会総会・学術集会のポスターセッションで、3月28日に発表した。

 EPAが有する抗血小板作用中性脂肪低下血管内皮機能改善抗炎症作用などが動脈硬化性疾患に有益であることは既に知られていた。しかし、中膜石灰化病変に対する影響は、過去に報告が少なかった。そこで金井氏らは、動脈中膜石灰化病変に及ぼすEPAの影響を、ラット動脈石灰化モデルで検討した。

 実験には7週齢の雄性SDラットを用い、ワーファリン(3mg/g飼料)とビタミンK1(1.5mg/g飼料)を与えて飼育した。すると、動脈摘出標本に石灰化病変の惹起を認め、その石灰化病変中には、osteopontin、ALP、Cbfa-1、osterixなど、骨形成機序と関係する分子が発現していた。

 一方、本モデル動物の作製途中に、EPA(1g/kg/日)を14日間にわたって経口投与したところ、総腸骨動脈の中膜石灰化が著明に抑制されたこと、腹部大動脈の同病変にも抑制傾向が認められたことが、画像的に確認された。

 なお、本実験では血中EPA/アラキドン酸比が高い動物ほど、良好な中膜石灰化の抑制作用を呈していた。

 金井氏は、その他の分子生物学的な検討も踏まえ、「EPAは、プロスタグランジンE2抑制を介したMMP産生抑制作用を有しており、これが中膜石灰化形成の初期段階で働いた可能性がある」(金井氏)とした。