京都大学大学院内科学准教授の木村剛氏

 急性冠症候群の患者にストロングスタチンのひとつであるピタバスタチンを投与すると、アトルバスタチンと同様に冠動脈プラーク退縮効果が認められることが分かった。国内の多施設共同研究として行われているJapan-ACSスタディの結果で、京都大学大学院内科学准教授の木村剛氏が、第72回日本循環器学会のLate Breaking Clinical Trialsセッションで3月28日に発表した。

 強力なLDLコレステロール低下療法が、冠動脈のプラークを退縮させることは以前から知られており、国内ではアトルバスタチンを用いたESTABLISH試験でその効果が判明している。今回、アトルバスタチンに対するピタバスタチンの非劣性が証明されるかどうかが検討された。

 試験デザインは、血管内超音波(IVUS)ガイド下で経皮的冠動脈インターベンションPCI)を施行された急性冠症候群の患者を対象に、ピタバスタチン4mg/日またはアトルバスタチン20mg/日を8〜12カ月投与し、冠動脈内のプラークの容積が、ベースラインから測定時までどれだけ変わったか(変化率)を、IVUSで測定して比較検討するというもの。オープンラベルのランダム化比較試験で行われた。

 307人の患者が登録され、153人がピタバスタチン群、154人がアトルバスタチン群に振り分けられた。脱落例を除いた解析対象は、ピタバスタチン群が125人、アトルバスタチン群が127人。

 その結果、ピタバスタチン群のプラーク容積のベースラインからの変化率は-16.9±13.9%、アトルバスタチン群は-18.1±14.2%となり、両群間に有意差はなかった(p=0.5)。そして、両者の変化率の差(ピタバスタチン群−アトルバスタチン群)は1.11(95%信頼区間:-2.27〜4.48)で、試験前に設定した非劣性の5(%)を超えず、アトルバスタチンに対する非劣性が証明された。

 これらの結果から木村氏は、「日本人の急性冠症候群の患者に対する、ピタバスタチンあるいはアトルバスタチンを用いた強力な脂質低下療法が、冠動脈プラークの著明な退縮をもたらすことが大規模な多施設研究で証明された」と結論付けた。