新東京病院心臓血管センター長の中村淳氏

 日本で使用できる薬剤溶出性ステントDES)には、シロリムス溶出性ステントSES)とパクリタキセル溶出性ステント(PES)の2種類があるが、左主幹部に対して両者を使用した場合を比較したところ、SESの方が3年間の心血管イベントの発生率が有意に少ないという結果になった。新東京病院(千葉県松戸市)心臓血管センター長の中村淳氏が第72回日本循環器学会のプレナリーセッションで3月28日に発表した。

 試験はタイやマレーシアを含むアジアの7カ所の施設による多施設共同研究で行われた。448人の梗塞を、248人のSES使用群と200人のPES群に分け、前向きの比較研究を実施した。両者の間に、年齢、性別、リスクファクターなどに差はなく、標的部位の特徴としては両者とも分枝部病変が70%以上と多かった。

 術後12カ月での最小内腔径(MLD)には有意差は見られなかったが、標的部位の再狭窄(SES=9.3、PES=14.0)と、それに伴う再開通術(TLR)(SES=8.0%、PES=12.5%)には、いずれも有意差が認められた(p<0.05)。また、びまん性のステント内再狭窄(ISR)については、SESでは起きなかったがPESでは2%に発生していた。

 また、3年後の死亡率には有意差は見られなかったが、心血管イベントの発生率を見ると、PESの14.3%に対してSESは7.9%と有意(p=0.045)に低かった。

 以上の結果について中村氏は、「ランダム化比較試験でなく観察研究であり、また両群間に手技上の差異があることが考えられる」としながらも、「SESの方がPESよりもベネフィットが大きい」との見解を示した。