拡張型心筋症(DCM)患者を対象とした、自己筋芽細胞の心筋シート移植の臨床試験が、2007年3月末には開始することを、大阪大心臓血管・呼吸器外科教授の澤芳樹氏の研究グループが、教育セッション「心筋・血管再生医療の展開」およびプレナリーセッション「Regeneration Therapy Using Tissue Engineering」の中で明らかにした。

 同研究グループは、大腿筋から採取した筋芽細胞を使って、温度応答性培養皿で筋芽細胞シートを作成。シートを積層化するとシート間にギャップジャンクションが形成され、シートを4枚重ねて培養すると同期して拍動するという。ラット心筋梗塞モデル、ハムスターDCMモデル、イヌ高速ペーシング心不全モデルにおいて、心筋シートの移植により、心機能の改善、生存延長が確認されている。

 今回の試験では、左室補助人工心臓(LVAS)を装着した上で、自己筋芽細胞を単離して作成した心筋シートを移植する。昨年7月に学内の倫理委員会の承認を得ていた。試験のエンドポイントは、治療における有害事象の種類と発現率を明らかにし、安全性を評価することとしている。症例数は6例、実施期間は2年間を予定している。