遅延造影MRIのポイントを提示する佐久間氏

 3月16日のラウンドテーブルディスカッション「心筋viabilityの評価法」で、三重大医学部付属病院中央放射線部病院教授の佐久間肇氏(写真)は、「急性心筋梗塞(AMI)後の遅延造影MRIの灰色領域は心筋viability(心筋の生存可能性)がある。すなわち治療によって回復が見込める領域だと判断すべき」と診断のポイントを指摘した。

 冠動脈疾患または、その疑いのある患者において、遅延造影の有無が主要心血管イベント(MACE)や心臓死のリスク予測に有用であることが、最近分かってきた。しかし、AMIの予後判定は特に難しいという。というのは、AMI後の患者の心筋では、壊死部分や梗塞部分が複雑に分布しており、遅延造影MRIで壊死部分(白)と回復が見込める部分(黒)が入り交じって灰色に見えるからである。こうした症例において、T2強調画像でも浮腫を認めるような場合、単純に心筋viabilityが無いと判断すると、予後の判断を誤ることになりうる。佐久間氏は、AMIでは「灰色の領域は生存心筋と判断し、その厚さが4mm以上あれば心筋viabilityはある」とし、一方、慢性心筋梗塞では異なり「黒の領域(生存心筋)の厚さが5mm以上でviabilityがあると判断する」との指針を提示した。

 佐久間氏によると、造影剤を用いた遅延造影MRIは比較的簡便で有効な方法だが、心筋viabilityの評価には他の画像との適切な組み合わせや読影力が求められ、そうした能力を身に付けた医師は、まだ少ないのが現状だという。

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