「日本でも積極的にステントグラフトを」と語る大木氏

 3月16日のコントラバーシー「大動脈瘤治療は手術かステンドグラフトか?」で、慈恵医大血管外科学の大木隆生氏(米国Albert Einstein医科大学外科学教授)は、「日本でも積極的にステントグラフトを用いたEVAR(Endovascular Aneurysm Repair:血管内治療)を取入れるべきだ」と提言した。

 胸部および腹部の大動脈瘤に対するEVARが行われるようになり、約15年が経過した。世界的には、手術とEVARの治療成績(長期予後やコストなど)を比較する研究が行われており、長期的には手術とEVARの死亡率に差が無いという結果も報告さている。本セッションでは、こうした研究結果を踏まえ、実績のある手術からEVARに切り替えるには慎重になるべきではないか、との意見も出された。大木氏の提言はそれらを受けたもの。

 大木氏によると、現在のステントグラフトは第三世代と呼ばれるもので、試行錯誤しながら各施設で「手作り」のステントグラフトを用いて治療していた時代とは、全く環境が異なる。「初期の未熟だったデバイスと最新のデバイスによる治療を一緒にして、『EVARの成績』と評価するのは無理があるのではないかと思う」と大木氏は指摘した。また、外科手術では必須の術前検査である血管内カテーテル検査や冠動脈造影を施行する必要がないほどEVARが低侵襲であることから、「患者にもたらすメリットは非常に大きい。日本では最新のデバイスを使用できる環境が整いつつあるので、治療成績も上がると考えられる」とした。

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