ハイリスク群を明らかにしていきたい、と語る豊福氏

 薬剤溶出性ステントの日本での成績を明らかにするj-Cypherレジストリーの中間報告で、左主幹冠動脈狭窄に対するシロリムス溶出性ステントの安全性が確認された。3月16日のセッション「薬剤溶出性ステントの問題点と今後の展望」で土谷総合病院の豊福守氏(写真)が発表した。
 左主幹冠動脈狭窄への薬剤溶出ステントの導入は、金属ステントより再狭窄率を低下させたが、死亡率に関してはさまざまな結果が報告されるにいたっている。このため、日本での薬剤溶出性ステントの成績を明らかにするj-Cypherレジストリーでは、左主幹冠動脈狭窄への薬剤溶出性ステント導入例についての解析も実施されている。j-Cypherレジストリーは、多施設が参加している前向きの登録研究で、日本全国の40施設余が参加している。
 発表によると、2004年8月から2005年7月までに、左主幹冠動脈狭窄例でシロリムス溶出性ステントを導入された275症例の登録があった。その92%にあたる252例が1年間フォローアップされた。エンドポイントは、主要臨床事故(死亡、ステント血栓症、ターゲット損傷血管再生)。1年間のイベント発生率は、カプラン・マイヤー法により弾き出した。
 解析の結果、1年間の死亡率は9.6%(25例)、うち心疾患による死亡率は4.7%(12例)だった。また、ステント血栓症は、1.6%(4例)で確認された。
 単変量解析では、処置方法、腎不全(特に透析患者)、心不全、ステントサイズ、ステントの導入時間などが、左主幹冠動脈狭窄への薬剤溶出性ステントの導入後の主要臨床事故の発生と関連していた。
 1年間の死亡率は9.6%であったことを受け、豊福氏は「中間報告では、シロリムス溶出性ステントの安全性が確認された」と指摘、ハイリスク群を明らかにする上でも、さらにフォローアップを継続したいなどと語った。