天理よろづ相談所病院の中川氏

 薬剤溶出性ステントDES)では最近、遅発性ステント血栓症の発生を問題視する報告が相次いでいる。これに対して、日本で行われているj-Cypherレジストリーの中間報告では、遅発性ステント血栓症の累積発症率は、留置後2年間で0.63%と低いことが明らかになった。3月16日のセッション「薬剤溶出性ステントの問題点と今後の展望」で、天理よろづ相談所病院の中川義久氏(写真)が発表した。

 j-Cypherレジストリーは、シロリムス溶出性ステント(SES)の安全性と有効性を評価する多施設における前向き試験。倉敷中央病院や天理よろづ相談所病院を中心に全国の40施設余が参加。目標症例数1万5000症例に対し、2006年11月時点で1万5216症例を集積している。今回の発表は、このうち6816例を対象に解析したもの。なお、推奨された抗血小板療法は、アスピリン (81〜200mg/日) およびチクロピジン (200mg/日) であった。

 注目の遅発性ステント血栓症の累積発症率は、30日時点が0.27%、1年時点が0.51%、2年時点が0.63%だった。年率で見ると30日から1年目までは0.2%/年だった。ロッテルダム試験では、30日が1.2%、1年目が1.7%、2年目が2.3%だったことを考えると、日本人の発生率が低いことが明らかだった。

 中川氏は、「日本人の発生率が低いことは、日本での診療の質の高さを現しているのではないか」と指摘、また、「ベネフィットとリスクを考えるとベネフィットが勝っていると言えるだろう」などと考察した。

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