心臓剖検モデルや3次元データベースの構築が可能になると期待する白石氏

 Non-ECG-gated MSCTが小児の心疾患治療に有用であることが報告された。3月15日のシンポジウム「小児心疾患の画像診断:最近の進歩と問題点」で、京都府立医科大学発達循環病態学講師の白石公氏(写真)が発表。その中で白石氏は、「Non-ECG-gated MSCT(マルチスライスCT)は、小児の複雑な先天性心疾患の診断や手術シミュレーションに非常に有用であり、将来性も非常に期待できる」と指摘した。
 白石氏らは、先天性心疾患を持つ小児に対してMSCTを施行し、血管の直径、心室容積などの測定を試みた。また、Stereolithographicモデルを使って、DORV(両大血管右室起始症)の手術シミュレーションに用いる心臓の模型も作成した。
 こうした試みから、MSCTは、どの方向からでも心臓を描写できるため、複雑な先天性心疾患の3次元イメージを得ることができ、血管の直径および心室容積の測定、手術シミュレーションなどに使用できることが分かった。また、MSCTによる先天性心疾患の心臓の模型は、外科手術のシミュレーションに有用なだけではなく、研修医や医学生、患者の両親、患者自身の教育にも使えるとした。
 将来的には、MSCTとstereolithographyを用いることによって、心臓剖検モデルや3次元データベースの構築が可能になるだろうと期待を示した。一方で、現在のところ放射線被爆の問題は残っているが、今後もより非侵襲的な診断方法として、MSCTが開発されていくであろうと結んだ。