「冠動脈疾患スクリーニングに活かせば非常に有用」と指摘する新田氏

 冠動脈疾患を診断する際、BTBDA(Beat to Beat Delay Algorithm)を用いたマルチスライスCT(MDCT、64列)検査は、安全性・有用性・費用効果などに優れた正確な診断ツールとなり得るとの研究結果が報告された。千葉西総合病院心臓センター循環器科医長の新田正光氏(写真)が、3月15日の一般口述(CT/DSA)で発表した。現在の代表的な検査である冠動脈造影の代用の検査としても評価できると指摘した。

 新田氏らは、2005年8月からこれまでに、64列のMDCT(Brilliance 64、Philips社製)を用いて、CTアンギオグラフィーを4061例施行した。うち333例が不整脈または心室期外収縮の症例であった。症例にはβブロッカーを使用している患者は含まれていない。CT施行症例のうち624例で冠動脈造影を行い、冠動脈疾患の存在が確認できた。
 その結果、感度と特異度は、それぞれ96.3%、98.4%だった。診断の正確さは不整脈や頻脈の影響を受けなかった。
 新田氏は、この検査方法の感度・特異度はRIシンチグラムに匹敵し、コストは圧倒的に低いため、今後の冠動脈疾患スクリーニングに活かせば非常に有用であると指摘した。また、新田氏の施設ではRIシンチグラムの場合、検査予約から実施まで半月〜1カ月程度の待機時間があるが、MDCTであれば初診の当日に実施が可能なことも有利な点として評価している。さらに、冠動脈造影検査を拒否する患者に対しても、この検査によって得られた冠動脈狭窄画像を示すことにより、病態を認めてスムーズに冠動脈造影検査に進むことができるメリットもあると話した。