専門医としての将来の不安なども大きな問題と指摘する吉田氏

 女性医師は年々増加しており、現時点では、全体で2割弱、20代では3割を超えている。循環器領域でも約25%が女性だと言われており、出産や育児による女性医師の休職や離職の影響は、今後の高齢社会における循環器疾患の増加もあって、無視できない問題になっている。3月15日のシンポジウム「女性医師の雇用問題を探る」において、佐賀大学循環器内科の吉田和代氏(写真)は、女性医師の抱える問題は、出産育児に限らず、過労による健康の不安や専門医としての将来の不安なども大きな問題であることを発表した。
 吉田氏は、年代別の女性医師の現状と問題を明らかにするため、佐賀県内の女性医師を対象にアンケート調査(質問紙法)を行い、133人から回答を得た。回答者の年代は30代、40代が多く半数以上を占めた。勤務先は20代、30代で大学や公立病院が多く、40代以降は私立病院や診療所が多くなる傾向にあった。

 体調不良を感じることがあるか、との質問に対しては、どの年代でも9割以上が「感じる」と回答しており、医師特有の就労環境が負担を与えている現状が明らかになった。休養がとれているか、との質問に対しては、「とれていない」との回答が20代、40代で多く、吉田氏は、「20代は研修によって、40代は管理者としての業務による負担が多いのでは」と分析した。また、医師としての将来に不安を感じるのは50代まで過半数を占めており、医療現場における女性の不安定な立場を反映している。
 それでも、「医師になって良かった」との回答は多く、20代で若干低いものの、各年代ともおおむね8割以上だった。吉田氏は、「困難は多いものの、労働環境を整え、将来像を明確にすることで、女性医師の潜在的能力は活かせるはずだ」と話した。