急性心筋梗塞の回復期心臓リハビリテーションを受けている患者数は、施設ごとに見ると極めて少なく、7割の施設で1日に1.8人に過ぎないことが、国立循環器病センター心臓血管内科部長の後藤葉一氏らの推計で明らかになった。これは厚生労働省循環器病委託研究(15指-2)「わが国における心疾患リハビリテーションの実態調査と普及促進に関する研究」班の研究成果の一部で、3月15日のポスターセッションにおいて発表された。
 2006年の心臓リハビリテーションの施設基準(I)では、少なくとも専従の看護師あるいは理学療法士2名が、各セッションに配置されることが明記されている。しかしその人的コストは高く、患者数に見合っているのかどうかが問題視されていた。
 そこで研究班が、実態調査のため、循環器学会認定循環器専門医研修施設(以下、JCS認定研修施設)を含む医療機関1875施設に質問票を送ったところ、1059施設から回答が寄せられた(回答率56%)。
 急性心筋梗塞(AMI)に関しては、回答した施設の7割(741施設)でAMI治療を行っており、JCS認定研修施設施設526施設においては97%で実施されていた。しかし施設ごとの患者数を見た場合、患者数が多い施設は少なく、逆に患者数が少ない施設が多数を占めるという傾向を示した。全体の7割の施設では年間患者数は30人だった。
 この患者分布に従い、AMI患者の半数に心臓リハビリテーションを、入院中に週に5回、2週間行うと仮定すると、平均では年間48人、1日当たり4.4人に実施することになり、さらに全体の7割の施設では年間20人、1日当たり1.8人と少ないことが示された。
 このため、今回のデータに照らし、コメディカルスタッフを2名配置するという現在の施設基準は修正する必要があるのではないか、と研究班は結論付けている。

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