カテキンは炎症性に関与する遺伝子の発現を抑え、心筋虚血後の心室リモデリングを抑制する可能性のあることが、ラットの実験で明らかになった。東京医科歯科大学大学院循環制御内科学の鈴木淳一氏らが、「Tea Catechins Attenuate Chronic Remodeling after Myocardial Ischemia in Rats」と題して、日本循環器学会で発表した。

 お茶に含まれるカテキンには抗炎症作用があるといわれる。研究グループは、心筋虚血モデルラットを使い、カテキンの経口群(n=8)と塩水を服用した対照群(n=8)におけるカテキンの効果を比較した。カテキンの量は20mg/kgを1日に2回、これは人が1500mLの緑茶を飲んだ量に相当するという。

 この結果、対照群では摂取後、血圧が低下したが、カテキン群では14日以降、その低下の程度が抑えられていた(p<0.05)。28日後に摘出し、超音波心臓断層像ではカテキン群の心駆出率は48%、対照群は38%だった。また対照群では約20%に重度の心筋線維症が見られたが、カテキン群では12%(p<0.05)と少なかった。

 免疫組織化学的分析では、NF-κBとICAM-1の活性化がコントロール群で顕著だったが、 カテキン群では抑えられていた。抗炎症性サイトカインであるTh2 サイトカインmRNA の発現量は、カテキン群で促進していた。酵素電気泳動法では、MMP(マトリックス分解酵素)活性がカテキン群では見られなかった。

 これらのことから、カテキンは臨床においても、心筋虚血後の心室リモデリングの予防に役立つだろうと研究グループは結論づけている。「近々、ヒトに投与する実験を始める」と鈴木氏(写真左)は語っていた。