急性心筋梗塞後の心臓リハビリテーションは、糖尿病患者の運動耐容能とHDLを有意に改善することがわかった。糖尿病患者でも、非糖尿病や耐糖能異常の人と同様に十分に運動のメリットがあるという。国立循環器病センター心臓血管内科の伊藤慎氏らの研究成果で、日本循環器学会で発表された。

 糖尿病患者は非糖尿病患者に比べて運動耐容能が低下しているとされる。研究グループは急性心筋梗塞を発症した268人を対象に、糖尿病群90人、耐糖能異常(IGT)群49人、非糖尿病群129人に分けて、運動前後の変化を調べた。運動前の段階では、糖尿病群は非糖尿病群や耐糖能異常群に比べて、最大心拍数と心拍数予備能が低く、運動強度、最大酸素摂取量も低かった。

 3カ月間に平均20回のリハビリテーションを行ったところ、3群とも最大酸素摂取量、有酸素運動閾値、運動強度が有意に改善した。たとえば最大酸素摂取量は、非糖尿病群では1367[ml/kg/min]が約1550に、耐糖能異常群では1315が約1500に、糖尿病群では1257が約1400まで上昇し、その改善の度合いは3群とも大きな違いはなかった。

 HDLコレステロールは、非糖尿病群では平均41mg/dLが運動3カ月後では51mg/dLに、耐糖能異常群では40mg/dLから46mg/dLに、糖尿病群では38mg/dLから47mg/dLと、いずれも有意 (p<0.05)に増加していた。

 ただし糖尿病患者では、運動耐容能は3カ月間の運動で改善するが、心拍数予備能には変化がなかった。これは糖尿病や耐糖能異常の段階で、自律神経が傷害を受けているためである可能性もあると研究グループは話していた。