大阪大学大学院医学系研究科教授の堀正二氏らの研究グループは、心筋梗塞後の禁煙が心筋梗塞の再発予防につながることを大規模追跡調査で明らかにした。また、心筋梗塞後も喫煙を続けている患者には、心筋梗塞の既往のある患者や心筋梗塞後3カ月目のSDS(Self-rating Depression Scale)検査でうつ状態にある患者が多いことがわかった。成果は3月24日に名古屋市で開催された日本循環器学会総会のFeatured Research Session2「Strategies to Acute Myocardial Infarction-2」で研究グループの中谷大作氏(写真)が発表した。

 研究グループは大阪急性冠症候群研究会(OACIS)に登録された急性心筋梗塞で生存した患者6101例を対象に調査を行った。男性が4616人、女性が1485人。平均年齢は64.9±11.6歳で、平均909±700日間のフォローアップを行った。喫煙の有無は3カ月目の郵送アンケートで調べ、SDS検査も3カ月目に行い40以上をうつの症状があると判定した。

 その結果、3カ月目で30.3%の患者が喫煙していることが明らかとなった。そして、心血管イベントの蓄積発生率を2224例で約2000日追跡したところ、禁煙した群では発生率が13.3%であったのに対して、喫煙を続けていた群は19.2%に上った。Cox regression分析を行い、性別や年齢などの条件を調整した結果、禁煙することによって心血管イベントのハザード比が0.644と下がることが明らかとなった。一方、喫煙を継続すると心血管イベントのハザード比が1.551になることも明らかとなった。心血管イベントのうち、総死亡率と非死亡心筋梗塞の発生率が喫煙継続群の方が禁煙群に比べて有意に高まっていた。

 さらに喫煙継続群の患者背景を調べたところ、心筋梗塞の履歴があった患者とうつの症状が現れている患者が有意に多かった。