大学病院からクリニックまで、関節リウマチ(RA)の専門医が所属する福岡県の23施設・診療科が集まる「福岡RA生物学的製剤治療研究会」から、増量・投与間隔短縮承認後の、実臨床におけるインフリキシマブ(IFX)の2年間の臨床成績が報告された。DAS28による寛解率は48.6%と良好で、有害事象の増加は認められなかった。IFX-study 2の中間報告で、同研究会を代表し、久留米大学医療センターの福田孝昭氏が、4月18日から20日まで京都で開催された第57回日本リウマチ学会(JCR2013)で発表した。

 同研究会では、増量・投与間隔短縮承認前からIFX 3mg/kgによる治療を受けており、効果不十分または効果減弱がみられたRA患者を対象に、増量・投与間隔短縮承認後のIFX治療の効果と安全性を評価するIFX-study 1を実施し、約4割の患者で低疾患活動性が達成できたことを報告している。これに続き同研究会では、増量・投与間隔短縮承認後にIFX治療を開始した患者を対象に、実臨床におけるIFX治療の有効性と安全性を検討するIFX-study 2を開始した。

 IFX-study 2の登録症例数は150例で、そのうち140例は生物学的製剤による治療歴がなかった。平均年齢は54.8歳、平均罹病期間は7.4年、病期分類はステージIからIVまで幅広く分布し、機能分類は1例を除きクラス1〜3だった。また、初回のIFX投与量は平均3.1mg/kg、メトトレキサート(MTX)投与量は平均7.7mg/週だった。 

 150例中115例が2年の追跡を終えており、福田氏らは今回、これらの症例のデータを解析し、中間報告を行った。

 2年間の追跡中、31例で増量、4例で投与間隔短縮、1例で増量かつ投与間隔短縮が行われており、104週時の平均IFX投与量は4.3mg/kgだった。

 115例中、2年時に疾患活動性が評価されていた105例のDAS28-ESRを見たところ、治療前の4.95から104週では3.18に有意に低下し(P<0.0001)、48.6%の患者が寛解、13.3%の患者が低疾患活動性となった。Boolean基準における104週時の寛解率は27.6%だった。

 主要評価項目である2年後のEULAR改善率は、Goodが48.6%、Moderateが27.6%であり、合わせて76.2%の患者で改善が認められた。

 2年間のIFX継続率は61.9%で、本試験の参加施設における増量・投与間隔短縮承認前の2年継続率(50.7%)に比べ良好だった。

 有害事象は150例中45例(71件)にみられたが、増量や投与間隔短縮に伴う増加は認められなかった。

 ただし、本コホートにおける2年後の平均IFX投与量は4.3mg/kgと、米国の大規模レジストリーであるCORRONA研究の平均投与量(5.5mg/kg)などに比べると控えめといえる。また、増量・短縮を経ず中止された症例も多く存在していた。

 福田氏は、「IFXの増量・投与間隔短縮は、実臨床の場でも安全かつ効果的な治療戦略と考えられた。一方で、現状では十分な増量や投与間隔短縮が行われていないと考えられる症例もあり、T2Tを確実に行うためには、増量・投与間隔短縮の明確なプロトコールが必要ではないか」と述べた。