2009年より関節リウマチ(RA)に対するインフリキシマブ(IFX)の増量もしくは投与間隔短縮が可能となったが、増量の判断は各医師に委ねられている。北海道大学の大友耕太郎氏らは、疾患活動性に応じてIFXを増量する「オンデマンド増量プロトコール」を作成、1年間の成績は良好だったことを既に報告している。4月18日から20日まで京都で開催された日本リウマチ学会(JCR2013)で同氏らは、観察期間を2年に延長した成績を発表した。寛解導入率はさらに上昇し、継続率も良好だったという。

 「オンデマンド増量プロトコール」は、3mg/kgでのIFX導入から14週後に疾患活動性を評価、DAS28で3.2以下という目標を未達成ならIFXを6mg/kgに増量し、その後2〜4カ月ごとの評価で目標未達成であれば7.5mg/kg、10mg/kg、6mg/kg(4週間隔)とステップアップしていく。逆に治療目標を達成できた場合は、順次減量を行う。

 大友氏らは今回、2009〜10年に本プロトコールに基づきIFXを導入して半年以上投与した患者(プロトコール増量群、19例)と、それ以前の06〜08年にIFXを導入し、原則的に3mg/kg固定で投与していた患者(対照群、22例)について、2年間における有効性や治療継続率、安全性などを比較した。なお、プロトコール増量群には病期分類でステージIVの患者がいなかったことから、対照群からもステージIVの患者は除外した。

 平均年齢(対照群54.9歳 対 プロトコール増量群54.2歳)、女性比率(68.4% vs. 68.4%)、病期分類(ステージI/II/III:14/6/2例 vs. 9/8/2例)、機能分類(クラス1/2/3:12/6/4例対8/10/1例)、罹病期間(4.0年対3.1年)、メトトレキサート(MTX)投与量(7.91mg/週対7.95mg/週)、プレドニゾロン投与量(3.20mg/日対2.87mg/日)、DAS28(5.19対4.54)など、主な背景因子に有意な偏りはなかった。

 プロトコール増量群の寛解率は54週からさらに増加し、102週ではDAS、CDAI、SDAIのいずれの寛解基準においても70%を超え、対照群より有意に高率だった(全てP<0.05)。54週の時点では両群間で有意差は見られなかったBoolean基準でも、102週では有意にプロトコール増量群が良好だった(14%対68%、P<0.05)。

 102週時点でのプロトコール増量群19例のIFX継続状況は、有効終了3例、継続13例、他剤変更3例であり、継続率は良好だった。

 102週時点での無効あるいは副作用による中止率は、プロトコール増量群16%、対照群27%だった(有意差なし)。また、有害事象の発生率も両群間に有意差はなかった。

 以上の結果より大友氏は、「オンデマンド増量プロトコールに基づくIFXの増量は、寛解率を向上させる忍容性に優れた治療法と考えられた」と結論した。

 なお、本検討においてDAS寛解を達成したプロトコール増量群患者は14例だったが、そのうち3mg/kgで寛解導入できた患者は8例で、6mg/kgが4例、10mg/kgが2例だった。これは、海外で同様の検討がなされたBeSt研究の成績と類似しており、寛解導入のためには我が国でも4〜5割の患者で増量が必要であることが示唆された。