ゴリムマブ(GLM)は日本でのみ100mgという高用量の使用が認められているが、どのような症例がよい適応となるかは、必ずしも明らかになっていない。100mg投与について、メトトレキサート(MTX)との併用の有無や50mgからの増量例における効果を比較検討した結果、100mg投与はMTX併用の有無にかかわらず有効であった。また、50mgから100mgへの増量など50mg投与を中断した患者の背景因子として、導入時の高疾患活動性、ステロイド使用量、2剤以上の生物学的製剤使用歴が関連していることが分かった。東京女子医科大学の佐藤恵里氏らが、4月18日から20日まで京都で開催された日本リウマチ学会(JCR2013)で報告した。

 検討対象は、東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センターにおいて2011年9月〜13年2月にGLMが導入された関節リウマチ(RA)患者97例。うち、83例が50mgで開始されており、100mg開始例は14例だった。

 これを、13年2月まで一貫して50mg投与だった「50mg群」(61例)、経過中に増量された「50→100mg群」(22例)、MTXを併用せず100mgを投与した「100mg/MTX(−)群」(10例)、MTX併用下に100mgを投与した「100mg/MTX(+)群」(4例)に分類して解析した。

 各群の患者背景因子に目立った違いはみられなかったが、100mg/MTX(+)群はDAS28が5.2(中央値)と他の3群(4.3〜4.6)に比べて高く、罹病期間は2.5年(中央値)と短かった(他群は7〜11年)。

 投与前の生物学的製剤の未使用率は、50mg群が55%、50→100mg群が48%、100mg/MTX(−)群が45%、100mg/MTX(+)群が75%だった。また、50→100mg群では他群に比べ、2剤以上の生物学的製剤使用歴のある患者の割合が高かった。

 GLM導入時と24週後のDAS28は、50mg群が4.2から2.5へ、100mg/MTX(−)群が4.3から3.0へ低下した。100mg/MTX(+)群でも、導入時は5.9と高かったが、16週までの追跡で3.3に低下した。

 一方で50→100mg群では、導入時の4.8から24週で4.0への改善にとどまった。同群では、増量のタイミングが症例ごとに異なることから、増量直前と12週後のDAS28を比較したところ、4.4から3.6へと、有意に低下していた(p<0.05)。

 全症例を対象としたGLMの継続率は24週で88.7%、52週で73.5%と良好で、4群間で比較しても有意差はなかった。

 次に、50mg投与が無効だった要因を探るため、50mgで開始した患者を、50mgが継続できた「50mg継続群」(41例)と、投与量が途中で変更あるいは中止された「50mg無効群」(25例、内訳:100mgへの増量例22例、50mgの無効中止例3例)に分け、ロジスティック回帰分析により「50mg無効」と関連する因子の抽出を試みた。

 その結果、(1)プレドニゾロン3mg/日以上の使用(回帰係数推定値0.97、P=0.009)、(2)DAS28≧5.1(同0.79、P=0.047)、(3)2剤以上の生物学的製剤使用歴(同1.19、P=0.046)が、有意な因子として抽出された。

 これらのリスク因子を何個持つかで患者を分類し、それぞれで50mg投与の継続率を調べたところ、「リスク因子なし」群(37例)での52週での継続率は80.7%、「リスク因子1個」群(15例)では48.9%、「リスク因子2個以上」群(14例)では22.9%と、リスク因子数に依存した継続率の低下が認められた(P=0.0001)。

 佐藤氏は「GLM100mgの投与は、MTX非併用でも、50mgからの増量でも有用だった。また導入時にDAS28が5.1以上の高疾患活動性、プレドニゾロン3mg/日以上の使用、過去の生物学的製剤使用歴が2剤以上の場合は、50mg投与の継続率が有意に低かった」とまとめた。

 また、「こうした患者には最初から100mg投与を考えるべきか」という質問に対して佐藤氏は、「それも一つの選択肢だが、経済的事情などにより最初から100mgを用いたくない人もいる。現状では、増量の可能性を伝えた上で、50mgで開始し、症状によって速やかに増量を検討することを原則としている」と答えた。