52週までのゴリムマブ(GLM)の治療効果を追跡した検討から、関節リウマチ(RA)の罹病期間が比較的短くMMP-3が低値の症例で、GLMの効果が高いことが明らかになった。また、生物学的製剤の未使用例と他剤からの切り替え例の間で、GLMの治療効果に差は見られなかった。4月18日から20日まで京都で開催された日本リウマチ学会(JCR2013)で、東京女子医科大学東医療センターの神戸克明氏らが発表した。

 神戸氏らは今回、GLM投与患者を対象に、その治療効果や関節破壊抑制効果に影響する臨床的因子の検索を行った。対象患者は、同施設を受診しGLMが投与された61例(うち女性50例)。

 平均年齢は63.3歳で、病期分類でステージ3〜4が37例(61%)、機能分類でクラス3〜4が34例(56%)と、比較的進行した症例が多かった。生物学的製剤の未使用症例は15例(25%)で、他の生物学的製剤からの切り替え例が大半を占めていた。

 これらの患者のうち24週あるいは52週までの解析が可能だった47例について、さらに詳細に検討した。47例の患者背景因子や病期・機能分類は母集団とほぼ同じで、平均罹病期間は16.5年だった。

 47例のベースライン時のDAS28-CRP平均値は4.3であり、60%が高疾患活動性(DAS28-CRP>4.1)、40%が中等度疾患活動性(同2.7〜4.1)で、低疾患活動性(<2.7)の患者はいなかった。これがGLMの投与24週後には、42.3%が低疾患活動性以下(寛解含む)、26.7%が寛解になり、高疾患活動性の患者は22.2%に減少した。

 なお、61例での副作用発現率は11.5%(7例)で、皮疹2例、結膜充血2例、下腿蜂巣炎1例、下腿潰瘍1例、重篤なものは悪性リンパ腫の1例のみだった。

 生物学的製剤の未使用例(12例)と他の生物学的製剤からの切り替え例(35例)に分けて比較すると、24週後の低疾患活動性以下への到達率は未使用例の30.0%に対して切り替え例では45.7%と、むしろ切り替え例で高い傾向にあった。

 また、メトトレキサート(MTX)併用の有無別の比較でも、非併用例(15例)における低疾患活動性以下への到達率は26.7%だったのに対し、併用例(32例)での同到達率は50.0%と高かった。また、1年間の継続率をKaplan-Meier法で算出したところ88.1%と高く、MTX併用の有無による差は認められなかった(P=0.8188)。

 24週後のDAS28-CRPを目的変数とした重回帰分析を行うと、罹病期間とベースライン時のMMP-3の2つが有意な説明変数として同定された(罹病期間:β=0.0489、P=0.0408、MMP-3:β=0.00596、P=0.0103)。一方、生物学的製剤の未使用例かどうかは有意な因子にはならなかった。

 次に、54週までの総シャープスコア(TSS)の追跡が可能だった29例について、1年間のTSS変化量(ΔTSS)を調べると、約7割(68.97%)の患者で関節破壊の進行が抑制(ΔTSS≦0)されていた。ΔTSSを目的変数とした重回帰分析を行うと、罹病期間のみが有意な説明変数となった(β=0.17963、P=0.0129)。中にはX線上で関節のびらんが修復されるような症例も認められており、滑膜の病理所見ではTリンパ球(CD4、CD8)の浸潤が強く抑制されていることが示唆された。

 以上の結果から神戸氏は、「MMP-3が約200ng/mL以下と比較的低値で、罹病期間が10数年以内のRA症例であれば、GLMによって高い寛解率と関節破壊抑制効果が期待できる」と考察した。また、他の生物学的製剤からの切り替え例でも未使用例と同程度の効果が認められたことに対しては、切り替え例で100mg投与の割合が多かったことが寄与している可能性があるという。