TNF-αやIL-6は、炎症性サイトカインと呼ばれ、関節リウマチ(RA)において重要な役割を演じている。MTXがこれらのサイトカインに及ぼす影響について検討したところ、MTX単剤治療有効例において、治療後にIL-6 は低下したが、TNF-αは変化せず、IL-6は関節破壊の進行と関連が見られたことなどが示された。4月18日から20日に京都で開催された第57回日本リウマチ学会(JCR2013)で、慶應義塾大学リウマチ内科の仁科直氏らが発表した。

 対象は、同大学病院における初発RA患者コホート(SAKURA)の登録患者のうち、MTX単独で治療された42人(平均56歳)。治療開始時と治療開始1年後に、血漿中のTNF-αとIL-6の濃度を測定し、手足X線写真により関節破壊の評価(mTSS)を行った。

 治療後、DAS28-ESRは4.6から2.7へ有意に低下した(P<0.01)。サイトカインについては、IL-6は4.6pg/mLから1.0pg/mLへと有意に低下したが(P<0.01)、TNF-αは有意な変化を示さなかった(0.87pg/mLから0.84 pg/mL)。

 MTX治療後、IL-6と関節破壊(ΔmTSS/年)は有意な正の相関を示し(r=0.49、P<0.001)、IL-6が低下しない症例ほど関節破壊の進行が進んでいた。

 臨床上意味がある関節破壊の進展をΔmTSS/年≧3として、ROC解析を行ったところ、IL-6が4.03pg/mLをカットオフ値とした時に感度89%、特異度88%となった。

 これらの結果について仁科氏は、「MTXはIL-6 を低下させたが、TNF-αには変化が見られなかった。こうした結果は、TNF阻害薬ではMTXの併用効果があるが、IL-6受容体モノクローナル抗体製剤では併用効果がほとんどないことの説明となり得る。また、治療後IL-6値は関節破壊のバイオマーカーになり得ることが示唆された。IL-6が4.03pg/mL以上の患者については、治療強化を検討する必要があるかもしれない」とコメントした。