関節リウマチ患者に対するメトトレキサート(MTX)の増量や生物学的製剤の導入は、いずれも経口ステロイド薬の減量・離脱に有効で、離脱までの期間も同程度であることが、2年間の前向き観察により示された。杏林大学第一内科の軽部美穂氏らが、4月18日から20日に京都で開催された第57回日本リウマチ学会(JCR2013)で発表した。

 対象はMTXとプレドニゾロン(PSL)の両方を内服し、PSL服用期間が3カ月を超え、3カ月以上その用量を変更していない関節リウマチ患者44例とした。そのうちMTXを増量した20例をMTX増量群(67歳、男性7例)、生物学的製剤を導入した24例をBIO導入群(68歳、男性4例)とした。PSLの減量目標は3mg以下とし、MTX以外の抗リウマチ薬を使用している患者は除外した。

 患者背景で有意差を認めたのは、70歳以上の割合(MTX増量群で60%、BIO導入群で46%)、罹病期間(MTX増量群8.7年、BIO導入群9.3年)、ステロイド内服期間(MTX増量群4.8年、BIO導入群6.8年)だった(いずれもP<0.01)。ステロイド開始時のCRPは、MTX増量群3.1mg/dL、BIO導入群3.5mg/dLで、有意差はなかった。MTX増量もしくは生物学的製剤導入開始時のCRPはMTX増量群0.82mg/dL、BIO導入群1.01mg/dLとこちらも有意差はなかった。MTX増量もしくは生物学的製剤導入開始時のMTX使用量やDAS28-CRP、DAS28-ESR、SDAIなどにも両群で有意差は認めなかった。

 2年間の観察期間において、DAS28-CRPとSDAIは、両群共に有意に減少し、再燃もなかった(P<0.01)。観察期間中の平均PSL服用量は、MTX増量群が5.4mgから1.5mgへ、BIO導入群が5.4mgから1.9mgへと両群ともに有意に減少していた(P<0.01)。

PSLの減量目標達成率は、MTX増量群では90%、BIO導入群では83%で、有意差はなかった。またPSL離脱率はMTX増量群が35%、BIO導入群が38%で有意差はなかった。PSL離脱までの平均日数は、MTX増量群が464日、BIO導入群が528日と、MTX増量群の方がやや短かったものの、有意差は見られなかった。

 MTXの増量または生物学的製剤導入開始から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が正常化するまでの平均日数は、MTX増量群293日、BIO導入群215日となり、BIO導入群で有意に短かった(P<0.05)。また、罹病期間が長いほどACTH正常化までの期間も長期となる正の相関が見られた。同様に、PSL内服期間が長いほどACTH正常化までの期間も長期となる相関が見られた。ただし、両群ともに年齢とACTH正常化までの期間に相関は見られなかった。

 これらの結果から軽部氏は、「2年間の観察期間において、MTX増量群、BIO導入群ともに再燃することなく、大半がステロイドを減量・離脱できた。MTX増量群とBIO導入群で、減量目標達成率や離脱率、ステロイド離脱までの期間には有意差は認めなかった」とまとめ、「MTX増量、生物学的製剤導入のいずれでも、ステロイドを減量・離脱し得る」と結論した。また軽部氏は、「罹病期間やステロイド内服期間が長期に及ぶと、副腎機能の回復が遅れることが明らかとなった。ステロイドの安全な減量・中止にはACTHが指標となる」と指摘した。