歯周病と関節リウマチ(RA)や抗CCP抗体との関連が注目されている。未診断・無治療の関節痛患者を対象に、歯周病の合併がその後の治療などに及ぼす影響について調べた前向きコホート研究から、歯周病を有する患者は有さない患者と比べて関節炎の活動性が高く、後にRAと診断され、メトトレキサート(MTX)治療を導入される可能性が高いことが示された。4月18日から20日に京都で開催された第57回日本リウマチ学会(JCR2013)で、京都大学附属病院リウマチセンターの橋本求氏らが発表した。

 対象は、2011年5月以降に同センターを受診した、診断未確定で抗リウマチ薬・ステロイド未投与の関節痛患者98人(平均年齢56.0歳)。歯科口腔外科で臨床評価を行い、歯周病あり群と歯周病なし群に分けた。

 98人のうち、歯周病ありと診断されたのは69.0%で、歯周プラークのPorphyromonas gingivalis(Pg菌)陽性は62.7%だった。プロービング(歯周ポケットの深さ測定)時の出血も、歯周病あり群で有意に多かった。

 歯周病あり群(68人)と歯周病なし群(30人)とを比較すると、腫脹関節数(SJC)(2.5対0.9、P=0.013)、DAS28-ESR(3.68対2.64、P=0.010)、SDAI(13.5対7.9、P=0.003)が歯周病あり群で有意に高かった。抗CCP抗体については2群間で有意差はなかった。

 次に、経過観察中にMTX治療導入に至った割合について、歯周病あり群と歯周病なし群で比較したところ、初診後8カ月のMTX治療導入率が歯周病あり群で有意に高かった(Log-Rank検定、 P=0.013)。

 Pg菌陽性群とPg菌陰性群で、経過観察中のMTX治療導入割合を比較したところ、2群間で導入率に差は見られなかった。

 橋本氏は、「抗リウマチ薬やステロイドの投与を受けていない診断未確定の関節痛の患者において、臨床的歯周病を有する患者は有さない患者に比べて関節炎活動性が高く、後にRAと診断され、MTX治療を導入される割合が高いことが示された。また今回の研究では、歯周病やPg菌の有無と抗CCP抗体との関連は認められなかった」とまとめた。