疾患活動性が高く、インフリキシマブ(IFX)の増量および投与間隔短縮が必要だった関節リウマチ(RA)であっても、その後のIFXの減量や寛解休薬が可能であることが示された。市民の森病院(宮崎市)の日高利彦氏らが、4月18日から20日まで京都で開催されていた日本リウマチ学会(JCR2013)で発表した。

 IFX治療について、日高氏らの施設では、まず通常の用量・用法である3mg/kg、8週間隔で投与し、中等度以上の疾患活動性や大関節の腫脹が残存している場合は6mg/kgに増量し、さらに同様の臨床所見が残る場合は10mg/kgへ増量している。それでもなお、同様の基準を満たさない場合は、6mg/kgで投与間隔を4週に短縮するというプロトコールを定めている。

 一方、増量・投与間隔短縮により、低疾患活動性かつ大関節に腫脹がない状態が3カ月以上続いた場合は、上記と逆の手順を踏んで3mg/kg、8週間隔投与へ戻している。さらにメトトレキサート(MTX)以外の内服薬を減量・中止し、その状態で6カ月以上、寛解もしくは低疾患活動性が維持できれば、患者の希望に応じてIFXを中止する。

 日高氏らは今回、このプロトコールに基づいてIFXの増量または投与間隔短縮を行ったRA患者50例を対象に、その後の治療経過とIFXの減量について検討した。患者の平均年齢は51.4歳(女性比率92%)、平均罹病期間は91カ月で、MTXの平均投与量は9.2mg/週、また30例(60%)がステロイドを併用していた(平均6.57mg/日)。

 増量後のIFX最大投与量は、6mg/kg(短縮投与)または10mg/kgが44例(88%)、6mg/kgが6例(12%)だった。

 なお、50例中14例は、効果不十分(6例)や有害事象(3例)、MTXの副作用による中止(4例)、転院(1例)により中途脱落となった。今回の解析はLOCF法を用いた。

 増量開始時の疾患活動性は、DAS28-CRPが3.37、DAS28-ESRが4.75、SDAIが14.9だった。これらの指標はいずれも増量2カ月目以降、増量開始時に比べて有意に低下し(全てP<0.01)、1年後も維持されていた(全てP<0.001)。SDAIによる寛解(≦3.3)率は、増量時の2%から1年後には30%となり、低疾患活動性(46%)と合わせて、ほぼ4人に3人が低疾患活動性以下を達成できていた。

 また、圧痛関節数や腫脹関節数、患者による疼痛評価、医師の全体評価、mHAQなどについても、1年後にはいずれも増量開始時より有意に改善していた。

 最終観察時のIFX投与量は、6mg/kg(短縮投与)または10mg/kgが14例(28%)、6mg/kgが5例(10%)で、13例(26%)は増量前の3mg/kgに戻っていた。さらに、4例(8%)の患者は寛解との判断でIFXの投与が中止されていた。

 以上の結果から日高氏は、「IFX 3mg/kgで効果不十分な患者に対する増量・投与間隔短縮は有効で、多くの患者を寛解や低疾患活動性に持ち込むことが期待できる。それによってIFXの減量や寛解休薬が可能な症例も存在する」と強調した。