関節リウマチ(RA)は続発性骨粗鬆症の原因疾患の1つとされる。骨代謝悪化の要因としてはRAの炎症による骨萎縮、痛みによる活動性の低下による廃用症候群、ステロイド使用、年齢的変化などが指摘されている。大阪市立大学整形外科の多田昌弘氏らが、前向きコホート研究(TOMORROW研究)のデータを解析したところ、RA患者において疾患活動性と骨代謝マーカーの間には関連が見られず、ステロイドの減量で骨代謝マーカーが改善することなどが示された。4月18日から20日まで京都で開催された第57回日本リウマチ学会(JCR2013)で発表した。

 対象は、TOMORROW研究(年齢、性をマッチさせたRA患者と健常者の前向きコホート研究)に登録されたRA患者202人(女性171人、平均年齢59.3歳)、および健常者202人(女性170人、58.8歳)。2010年と2011年のデータを用いて骨代謝マーカーの経年変化などについて検討を行った。骨代謝マーカーの評価は骨吸収マーカーの尿中1型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTx)と骨形成マーカーのオステオカルシン(OC)の2つを用いた。

 RA患者については、ステロイド投与量の変化(ΔPSL)と疾患活動性の変化(ΔDAS28)を算出し、尿中NTxと血清OCへの影響について検討を行った。

 骨代謝マーカーの経年変化を検討したところ、RA患者群では、骨吸収マーカーのNTxは変化が見られず(58.3nmolBCE/mmolCrから57.8nmolBCE/mmolCr)、骨形成マーカーのOCは有意に上昇した(7.28ng/mLから8.22ng/mL、P=0.0001)。一方、健常者群ではNTx(44.1nmolBCE/mmolCrから51.5nmolBCE/mmolCr、P=0.0001)、OC(7.27ng/mLから7.64 ng/mL、P=0.0013)とも有意な上昇を示した。

 このように、RA患者において骨代謝の改善が見られた要因としては、ステロイドの減量、疾患活動性の改善、骨粗鬆症改善薬の使用などの影響が考えられる。

 そこで、まずはステロイド投与量と骨代謝マーカーの変化量の関連について調べたところ、ΔPSLとΔNTxの相関は見られなかったが、ΔPSLとΔOCについては負の相関が見られ、PSLを減量するとOCは上昇することが示された(R=−0.227、P=0.011)。

 疾患活動性との関係を調べるために、ΔDAS28 と骨代謝マーカー(ΔOC、ΔNTx)の関連について調べたところ、いずれについてもΔDAS28との相関は見られなかった。

 また、骨粗鬆症改善薬使用の有無で2群に分けて解析を行ったが、骨代謝マーカーに有意差はなかった。生物学的製剤使用の有無でも同様の解析を行ったが、骨代謝マーカーに有意差はなかった。

 これらの結果から多田氏は、「RA患者においては、骨代謝マーカーはステロイドを減量することで改善することが明らかになった。疾患活動性との関連は見られなかったことから、コントロールが良好な患者でも骨代謝マーカーが悪化する可能性がある。この点からもステロイドの減量が重要と考えられる」とまとめた。