インフリキシマブ(IFX)の増量および投与間隔短縮が承認されてから3年が経過し、実臨床での使用経験も増えている。IFXの増量や投与間隔短縮を行った症例の96週間の追跡では、安全性や継続率は良好で臨床指標も改善される傾向にあったと、新潟県立リウマチセンターの海野恵美氏らが、4月18日から20日まで京都で開催された第57回日本リウマチ学会(JCR2013)で報告した。

 海野氏らは今回、2012年3月までに同施設でIFXの増量または投与間隔短縮を行った関節リウマチ(RA)の患者のうち、メトトレキサート(MTX)やステロイドの増量を行わずに24週以上の経過を観察できた23症例を対象にした。

 患者の平均年齢は57.2歳(女性60.9%)、平均罹病期間は10.6年だった。23例中17例がステージIII以上の進行期の症例で、全例がクラス2以上の機能障害を有していた。

 平均体重は56.8kgで、増量もしくは投与間隔短縮による治療強化がなされる前のIFXの投与量は平均189.6mgだった。治療強化前のIFX投与回数は平均7.2回で、各臨床指標の平均値はDAS28-ESRが3.3、CRPが1.0mg/dL、RFが175.5IU/mL、MMP-3が188.8ng/mLだった。

 治療強化の内訳は、増量が19例、増量+投与間隔短縮が4例で、治療強化初回の平均IFX投与量は289.6mgだった。その後の平均投与量は、24週後で339.1mg、48週後で346.8mg、72週後で374.4mg、96週後で380.0mgと増加した。

 治療強化から96週の追跡期間中に、6例で投与が中止された。内訳は2例が効果不十分、4例が有害事象(胃癌、悪性リンパ腫、肺炎、肝機能障害が各1例)だった。また4例が転院のため脱落した。転院例を除く19例における48週までの継続率は84.2%、96週までの継続率は67.4%だった。

 治療強化後の臨床指標(DAS28-ESR、CRP、RF、MMP-3)は、いずれも強化直後より有意に改善し(全てP<0.05、vs. IFX導入時)、その後も緩やかに改善した。特に、RFとMMP-3の72週と96週の値は、治療強化開始時に比べても有意に低下した(ともにP<0.05)。

 IFXの増量・投与間隔短縮が承認される根拠となったRISING試験では、22週後までの解析においてIFX 3mg/kg投与群と10mg/kg投与群の安全性に差はなく、効果は10mg/kgの方が優れるという結果だった。今回の検討でも傾向は同様で、海野氏らは「IFXの増量・投与間隔短縮は安全で有効性の高い治療法であると考えられた」と結論した。