米国リウマチ学会(ACR)と欧州リウマチ学会(EULER)が2010年に発表した関節リウマチ(RA)の新寛解基準は、「将来にわたり関節破壊進行を抑止し、身体機能を維持している」状態を目指した指標である。最も新しい生物学的製剤であるゴリムマブ(GLM)は上市から日が浅く、新基準を用いた同剤の寛解導入率、また寛解導入と関節破壊や身体機能との関係については明らかでなかった。そこでGLMの2つの国内臨床試験の成績を新基準に基づいて再解析したところ、GLMによる寛解導入率は新基準でも良好で、寛解達成者は未達成者に比べて関節破壊の進行が抑制され、身体機能が改善される傾向にあることが確認された。4月18日から20日に京都で開催された第57回日本リウマチ学会(JCR2013)で、産業医科大学の田中良哉氏らが発表した。

 検証が行われたのは、メトトレキサート(MTX)併用下でGLM 50mgと100mg、プラセボを比較したGO-FORTH試験とGLM単独でのプラセボ対照比較試験であるGO-MONO試験の2試験。いずれの試験も1次エンドポイントは14週の有効性だが、その後も104週(2年)にわたり追跡が続けられた。ただし、GO-FORTH試験では14週時点での効果不十分例に対しては、16週以降に実薬への切り替えや増量(早期エスケープ)が認められ、さらに両試験で24週以降はプラセボ群にも全例実薬が投与された。

 新基準を用いた解析の結果、GO-FORTH試験における50mg投与群の14週の寛解率は、Boolean基準で19.3%、SDAIおよびCDAI基準で20.5%、100mg投与群ではそれぞれ12.0%、18.1%、14.5%だった。これは、DAS28-ESRに基づいた寛解率より低い値で、より厳しい基準であることが再確認された。

 しかし、寛解率は14週以降も徐々に上昇を続け、50mg投与群、100mg投与群のいずれも、104週では最も厳しいBoolean基準でも約30%となった。

 次に、新基準の寛解と関節破壊進行の関連に目を向けると、いずれの基準を用いた場合でも、寛解達成者では追跡した104週で総シャープスコア(TSS)の増加はほとんどみられなかった(平均増加量:−0.57ポイント[50mg投与群でのBoolean寛解達成者]〜1.13ポイント[100mg投与群でのSDAI寛解達成者])。これに対し、寛解非達成者では平均1.89ポイント(100mg投与群でのSDAI寛解非達成者)〜4.28ポイント(50mg投与群でのSDAI寛解非達成者)の増加が認められた。

 また寛解達成者では、HAQ寛解(HAQ<0.5)の達成率も高く、52週で80.0%(50mg投与群でのSDAI寛解達成者)〜90.0%(100mg投与群でのBoolean寛解達成者)、104週で73.3%(50mg投与群でのSDAI寛解達成者)〜95.2%(100mg投与群でのBoolean寛解達成者)の患者が、HAQ寛解を達成していた。

 これに対し、寛解非達成者のHAQ寛解率は、52週で37.0%(50mg投与群でのCDAI寛解達成者)〜60.9%(100mg投与群でのBoolean寛解非達成者)、104週で54.0%(100mg投与群でのBoolean寛解非達成者)〜59.5%(50mg投与群でのSDAI寛解非達成者)にとどまった。

 一方、MTX非併用のGO-MONO試験では、GO-FORTH試験ほど寛解達成者における関節破壊の抑制および身体機能の改善傾向は明確でなかったが、やはり寛解非達成者に比べて優れる傾向にあった。

 以上より田中氏は、「GLMの長期間投与により、最も厳格な基準であるBoolean寛解を、MTXとの併用では約30%、GLM単独でも19〜24%と高率で達成した。また、新しい寛解基準を達成した患者では、未達成の患者と比較して関節破壊が抑制され身体機能も改善傾向にあった」と結論した。