関節リウマチ(RA)患者は、たとえ寛解導入に至っても、病気の進行具合や身体活動の相違などから、QOLは患者ごとに異なるとされている。そこで、寛解に至ったRA患者について、就労の有無別にQOL評価を行ったところ、就労群は非就労群よりも身体機能障害評価(HAQ)や上肢機能障害評価(DASH)のスコアが高く(=悪く)、特に仕事中にRAの影響を強く受けていることなどが示された。4月18日から20日まで京都で開催されている第57回日本リウマチ学会(JCR2013)で、名古屋大学整形外科の寺部健哉氏らが発表した。

 対象は、同病院に通院中のRA患者で臨床的寛解(DAS28-CRP<2.6)だった34人。仕事の生産性および活動障害に関する質問票(WPAI)によって就労の有無を確認し、就労あり群(14人、平均年齢53歳)と就労なし群(20人、同51歳)に分けた。就労あり群は、就労なし群に比べて罹病期間が短く(5.6年対18.7年、P<0.001)、RAの病期を示すstageも低かった。

 患者による総合評価(GH-VAS)においては両群間で有意差はなかったが、就労あり群の方がHAQ(1.0対0.4、P<0.05)、DASH(30.0対12.1、P<0.05)が有意に高く、就労あり群でQOL障害が高いことが示された。健康状態全般評価(EQ5D)スコアは、就労あり群の方が低い(健康状態が悪い)傾向が見られたが有意差はなかった。

 就労あり群に対して、過去7日間、仕事をしている間にRAがどれくらい生産性に影響を及ぼしたかを確認したところ、14人中7人が、産業衛生上の概念である仕事の遂行能力低下(presenteeism)があった。また、presenteeismあり群は、presenteeismなし群よりも有意に罹病期間が長かった(8.0年対3.3年)。

 これらの結果をまとめて寺部氏は、「RA寛解後に就労している患者は、就労していない患者よりも罹病期間が短く、stage進行が低いにもかかわらず、QOLはより障害されていた。RAによって仕事の遂行能力が低下していた患者は低下していない患者に比べて罹病期間が長かったことから見て、早期の寛解導入が労働生産性向上の点からも重要と思われた」と話した。