関節リウマチ(RA)患者は女性が多く、発症時点で見るとほぼ半数が妊娠可能な年代とされる。そこで、女性RA患者を対象に妊娠や出産の状況を調べたところ、40歳未満でRAを発症した既婚患者の出産経験率は72.7%と、40歳以上で発症した既婚患者の出産経験率の94.9%に比べて有意に低く、RAを発症するとその後の妊娠・出産の可能性が減少することが示唆された。4月18日から京都で開催されている第57回日本リウマチ学会(JCR2013)で、国立病院機構下志津病院(千葉県四街道市)の杉山隆夫氏らが発表した。

 対象は、女性RA患者336人(平均年齢56.9歳、平均発症年齢43.6歳)。このうち、306人(91%)が結婚しており、既婚者の85.6%が出産を経験していた。

 RAの発症年齢で分類すると、40歳未満で発症した既婚患者の出産経験率は72.7%で、40歳以上で発症した既婚患者(94.9%)よりも有意に少なかった(P<0.0001)。

 20歳代で発症した群(71人、平均年齢43.6歳)、30歳代で発症した群(83人、平均年齢50.6歳)、40歳代で発症した群(182人、平均年齢65.0歳)の3群に分け、既婚者のみにおける出産経験率を算出すると、それぞれ55.6%、85.1%、94.9%となり、各群間には有意差が見られた(P<0.0001)。

 RA発症前の挙児は491例、発症後の挙児は39例だった。そのほか流産79件、死産3件、人工中絶14件、子宮外妊娠は3件だった。

 RAに対する出産の影響について検討したところ、40歳未満で発症したRA患者154人のうち、RA発症後の出産経験者は27人(17.5%)で、そのうちの17人が出産後にRAの増悪を経験しており、出産後に改善をみたのは2例とわずかだった。

 また、RA発症後に出産を希望した患者8人に、インフォームドコンセントのもとにエタネルセプト単剤の投与を行い、RAのコントロールを行った。その結果、7人が計9回10児を出産し、1人で自然流産がみられた。10児のうち双子の1例のみが低体重だったが、それ以外に出産時異常や奇形などはなく、出産後のRAの悪化も見られなかった。

 杉山氏は、「RAを発症すると妊娠・出産の可能性が減少することが示された。RA発症後に妊娠を希望した場合は、胎盤移行性が少ないとされるエタネルセプトを使用してRAを寛解に導き、その後メトトレキサート・非ステロイド性抗炎症薬を中止した上で、妊娠を計画する。妊娠後もエタネルセプトを継続して使うことが無事な出産につながる」と話した。

[訂正]
4月23日に以下の訂正を行いました。
 本文の最後の段落に、「RA発症後に妊娠を希望した場合は、メトトレキサートや非ステロイド性抗炎症薬を中止した上で、胎盤移行性が少ないとされるエタネルセプトを単剤で使用してRAを寛解に導くことで、妊娠につながる可能性がある」とありましたが、発表者の指摘により上記のように訂正しました。