産業医科大学の田中良哉氏

 新規抗TNF製剤ゴリムマブGLM)は昨年9月から日本でも使用できるようになり、4週に1度の皮下注射という簡便な生物学的製剤として注目されている。海外の承認用量は50mgだが、わが国ではメトトレキサート(MTX)併用時は50mgまたは100mg、非併用時は100mgとされている。しかし、MTX併用時の2つの用量の使い分けに関する明確な指針はまだない。産業医科大学の田中良哉氏らは、GLMの国内臨床試験「GO-FORTH」のサブ解析結果から、高疾患活動性の症例や関節破壊の進行速度が速い早期例では、100mg投与の有効性が高いことを確かめ、4月26日から28日に東京で開催された第56回日本リウマチ学会(JCR2012)で発表した。

 GO-FORTH試験では、MTX単剤で効果不十分なRA患者を、(1)MTX+GLM 50mg群(86例)、(2)MTX+GLM100mg群(87例)、(3)MTX+プラセボ群(88例)の3群に無作為に割り付け、4週間隔の投与で52週まで追跡。24週までが二重盲検期間で、以降はプラセボ群にもGLM50mgが投与された。また、14週の評価で圧痛および腫脹関節数がベースラインより20%以上改善していない症例には、16週に、GLM 50mgから100mgへの増量またはプラセボからGLM 50mgへの切り替えが行われた。今回のサブ解析には24週のデータが用いられた。

 24週目における臨床症状改善効果は、ACR20、50、70改善率、EULAR改善率(good+moderate response)のいずれの指標についても、プラセボ群に比べ2つのGLM群が有意に優っていた。GLM 50mg群と同100mg群の間に大きな差は認めなかった。

 しかし、関節破壊の進行については、GLM 50mg群と比較して、100mg群で総シャープスコア(TSS)が増加した患者の割合が明らかに少なかった。

 特に、ベースライン時に高疾患活動性(DAS28-ESR>5.1)だった患者の場合、年間5ポイント以上TSSが増加する急速進行例(rapid radiological progression:RRP)は、24週目にGLM 50mg群で17.6%だったのに対し、GLM 100mg群では5.7%にとどまった。

 次に、ベースライン時にDAS28-ESR>5.1と高疾患活動性だったGLM 50mg群のうち、24週目までに少しでもTSSの増加が認められた患者(ΔTSS>0群:29例)と、TSSが不変もしくは改善していた患者(ΔTSS≦0群:22例)について背景因子を比較したところ、ΔTSS>0群では罹病期間が有意に短く(6.7年 対 12.8年、P=0.0221)、TSSが有意に低かった(51.0 対 93.9、P=0.0336)。これは、CRP≧1.5mg/dLを高疾患活動性の基準とした場合でも、ΔTSS>0群(21例)ではΔTSS≦0群(13例)よりも、TSSを罹病期間で割ったTSS/罹病期間が有意に大きい(13.9 対 7.5、P=0.0166)など、同様の傾向が認められた。

 以上の結果をもとに田中氏は、「高い疾患活動性や、比較的早期、あるいは関節破壊の進行が速い患者に、GLM 50mgよりも100mgが有力な選択肢となり得る」と述べた。

(日経メディカル別冊編集)


■訂正
 5月8日に以下の訂正を行いました。
・第2段落末尾に「今回のサブ解析には、主要評価項目評価時である24週のデータが用いられた」とありましたが、正しくは「今回のサブ解析には24週のデータが用いられた」でした。訂正します。