産業医科大学第一内科学講座の山岡邦宏氏

 関節リウマチRA)の病勢評価にはDAS28、CDAI、SDAIなどの総合的活動性指標が用いられるが、主観的要素が多く含まれるため、糖尿病におけるHbA1cなどのような客観的な評価方法が求められている。そこで、米国で既に保険収載され使用されているMBDAmulti-biomarker disease activity)スコアの有用性についてトファシチニブ投与RA患者を対象に検討したところ、DAS28ESRなどと強い相関を認め、RA疾患活動性の新たな客観的指標となりうることが示唆された。4月26日から28日まで東京で開催されていた第56回日本リウマチ学会(JCR2012)で、産業医科大学第一内科学講座の山岡邦宏氏らが発表した。

 対象は、JAK阻害薬トファシチニブの治験(試験期間52週間)に参加した47人のRA患者(平均年齢54.8歳、平均罹病期間6.9年)。0、2、12、24、48週にMBDAとDAS28、SDAI 、HAQの評価を行った。

 MBDAスコアは、12の血清バイオマーカー(VCAM-1、EGF、VEGF-A、IL-6、TNF-RI、MMP-1、MMP-3、YKL-40、Leptin、Resistin、CRP、SAA)を測定し、一定のアルゴリズムによって算定(1〜100点)した。

 患者背景は、MBDAが59.5、DAS28(ESR)が6.3、SDAIが36.7、HAQが1.3(いずれも平均)で、疾患活動性は高かった。

 MBDAスコアと総合的活動性指標との相関について検討したところ、MBDAスコアは、DAS28、SDAI 、HAQと有意な相関を示した(P<0.001)。

 最終評価日(52週)において、MBDAスコアは31.3、DAS28(ESR)は3.2、SDAIは8.6、HAQは0.7(いずれも平均)と有意に改善した。

 0〜52週の⊿DAS28CPR(P<0.001)、⊿DAS28ESR(P=0.002)、⊿SDAI (P=0.001)について見ても、いずれも⊿MBDAと有意な相関を示した。

 山岡氏は、「トファシチニブ投与RA患者において、MBDAは既存の総合的活動性指標と相関を認め、新たな関節リウマチ患者の疾患活動性の客観的指標になりうることが示唆された」とまとめた。

(日経メディカル別冊編集)

■訂正
 6月15日に以下の訂正を行いました。
・山岡先生のお名前が間違っていました。正しくは「山岡邦宏氏」です。お詫びして訂正いたします。