順天堂大学膠原病内科の小笠原倫大氏

 関節超音波検査US)のパワードプラシグナル(PD)は、関節リウマチにおける局所の炎症を直接反映し、疾患活動性や骨関節予後判定に有用な所見として注目されている。しかし、日常診療では、すべての症例で関節USを施行することは難しいため、日常診療で得られる臨床情報の中で、PDスコアの予測に有用な因子を検討したところ、腫脹関節数(SJC)がPDスコアと強い相関を示し、最も有力な予測因子であることなどが明らかになった。4月26日に東京で開幕した第56回日本リウマチ学会(JCR2012)で、順天堂大学膠原病内科の小笠原倫大氏らが発表した。

 対象は、順天堂大学膠原病内科に通院中の関節リウマチ患者92人。日常診療評価項目(SJC、圧痛関節数〔TJC〕、患者VAS、医師VAS、CRP、ESR、MMP-3、RF、抗CCP抗体)を測定し、関節USによるPD評価(両側の1〜5MCPと手関節の計12関節)を行った。PDスコアはグレード0〜3とし、各関節の合計スコア(0〜36)とした。

 診察所見では手首および2〜3MCPの腫れが目立ち、US所見でも同様の傾向が見られたが、USでの異常所見の方が多かった。PDスコアは4以下と低い患者が多かった。

 PDスコアと相関を示す臨床指標を、多重回帰分析によって選択すると、SJCのみが有意なPD寄与因子として選択された(R square=0.4566、P<0.0001)。

 さらに、所見の組み合わせによるPD無し(寛解)の陽性的中率を検討したところ、「Steinbrockerの病気分類ステージI/II」「SJC12<1」「SDAI≦3.3/CDAI≦2.8」の3つの組み合わせのときに、PD寛解の陽性的中率が100%となった。

 小笠原氏は、「PDスコアの予測においては、関節触診とSJC把握が重要であることが再認識された。しかし、これらの日常臨床評価項目は、炎症を直接反映しているわけではないので、より正確に疾患活動性や骨関節予後を評価するには、USで補完することが適宜必要であろう」と指摘した。

(日経メディカル別冊編集)