JA静岡厚生連清水厚生病院整形外科の澤野浩氏

 2009年7月以降、インフリキシマブ(IFX)3mg/kg投与で効果不十分な関節リウマチ(RA)患者に対し、増量/投与間隔短縮が可能になった。JA静岡厚生連清水厚生病院整形外科澤野浩氏は、IFXの増量/投与間隔短縮を行い、54週間の観察で60%を超える良好な寛解率を得たことを、7月20日まで神戸で開催された日本リウマチ学会(JCR2011)で報告した。

 澤野氏らの施設ではこれまでに、IFXの効果が不十分だったRA患者43人に対し、IFXの増量/投与間隔短縮を実施。今回の検討では、そのうち54週間の追跡が可能だった33人を対象に、疾患活動性(DAS28-CRP)と寛解率の推移を評価した。

 IFX投与開始時の平均DAS28-CRPは5.49で、33人中31人が高疾患活動性(DAS28-CRP>4.1)だった。また、IFX増量/投与間隔短縮を開始した時点の平均DAS28-CRPは3.86で、高疾患活動性の患者が9人、中等度疾患活動性(DAS28-CRP 2.7〜4.1)の患者が23人を占めていた。

 IFXの投与量は増量/投与間隔短縮の前後で3〜4mg/kgから5〜8 mg/kgに増加した。IFXの増量/投与間隔短縮後の平均DAS28-CRPは、1カ月後には3.20、2カ月後には2.08に改善、その後も安定して推移し、12カ月後も2.34という良好な結果であった。

 増量/投与間隔短縮から2カ月後に約70%が寛解(DAS28-CRP<2.3)を達成していた。寛解率は、その後も60〜70%を維持し、12カ月後には64%(21人)が寛解を達成していた。寛解達成例のうち2人がIFXを休薬(そのうち1人は再投与)、2人がIFX増量後に減量していた。

 また、ACR/EULARによる新しい寛解基準(Boolean Index)で評価した場合も、IFXの増量/投与間隔短縮から2カ月後には80%近い患者が寛解を達成し、12カ月後にも約65%の寛解率が得られた。

 一方、観察期間中に12人(36.4%)の患者が脱落した。その理由は経済的理由が1人、血管脆弱が1人で、残りの10人は効果不十分による他剤への変更であった。しかし、これらの他剤変更患者ではIFXの効果減弱後、直ちに増量しておらず、増量も1バイアルのみだった。RISING試験では、IFX投与開始10週時点での効果不十分例に対する、14週の投与からの6mg/kg、10mg/kgへの増量の有効性が示唆されており、今回の結果でも同様に、患者ごとに必要な用量まで、速やかに増量することの重要性が示された。

 以上の検討から澤野氏は、IFX効果不十分例に対してIFXの増量/投与間隔短縮は有効だとした上で、タイトコントロールの考え方に従い、効果不十分例には速やかにIFXの増量/投与間隔短縮を用いて寛解導入を図ることが重要であり、寛解を一定期間維持できている患者については、IFXの減量、休薬、そしてドラッグフリー寛解を目指すことも可能である、と述べた。

(日経メディカル別冊編集)