岡山市立市民病院リウマチセンターの臼井正明氏

 関節リウマチ(RA)治療では炎症を抑制するためステロイドが使用される。しかし、ステロイドは感染症や血管障害、骨折などのリスクを上昇させることから、生物学的製剤で疾患活動性の制御を図ることによりステロイドの減量が期待されている。岡山市立市民病院リウマチセンター臼井正明氏らは、インフリキシマブ(IFX)投与継続例において、ステロイドの減量・離脱状況などを検討した。7月20日まで神戸で開催された日本リウマチ学会(JCR2011)で報告された。

 対象は2004〜2009年にIFXの投与が開始されたRA患者75人。平均年齢55.1歳、RA罹病期間12.5年、多くが病期分類ステージ2〜3、機能分類クラス2だった。

 75人のうち2010年末までIFX投与が継続されたのは58人(78%)。これらの患者の平均年齢は54.8歳、RA罹病期間は12.7年だった。IFXの投与期間は1年〜6年7カ月(平均2年11カ月)で、プレドニゾロン(PSL)は38人(66%)に投与されており、その投与量は2.5〜10mg/日(平均5.51mg/日)だった。

 また、IFXの増量が行われた患者が28人(48%)、投与間隔を短縮した患者が4人(7%)、IFX投与前にPSL20mgが投与された患者が40人(69%)いた。このようにIFXの投与を継続するために、増量や投与間隔の短縮、PSL前投与など投与方法の工夫が行われていた。

 これらIFX継続例58人のDAS28-CRPは、投与前の4.20から2.03に低下し、53%の患者が寛解(DAS28-CRP<2.3)を達成した。寛解達成率はPSL非投与例の70%に対して、PSL投与例では41%と低かった。

 IFXを継続し、PSLを投与していた38人のうち35人(92%)でPSLの減量が実現されており、13人(34%)では離脱に成功していた。PSLの平均投与量はIFX投与前の5.51mg/日から2.69mg/日に低下した。

 なお、PSL離脱例と非離脱例の背景を比較したが、年齢、RA罹病期間、病期ステージや機能分類、プレドニゾロン投与量、DAS28-CRP、リウマトイド因子、CRP、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-3値などに有意差は認められなかった。

 臼井氏は、ステロイド投与例で低疾患活動性を達成しても、それは真の低疾患活動性ではないことを指摘した上で、増量や投与間隔の短縮など、投与方法を工夫してIFXを継続することによりステロイド投与例の約3分の1でステロイド離脱が可能だと結論した。

(日経メディカル別冊編集)