湯河原厚生年金病院リウマチ科の仲村一郎氏

 RA患者では、特に大腿骨頚部において1年間で3%の骨量減少が起こっていることが明らかになった。317人のRA患者を対象にRAと骨粗鬆症との関係を検討した研究の成果で、湯河原厚生年金病院リウマチ科の仲村一郎氏らが、7月20日まで神戸で開催されていた日本リウマチ学会(JCR2011)で発表した。

 仲村氏らは、RA患者における骨密度低下は大腿骨頚部で顕著で、74.7%の低下という骨量減少状態にあることを解明し、今学会で報告している。また、骨粗鬆症に関与する因子として、大腿骨頚部では、高年齢、女性、BMI低値、腰椎圧迫骨折、血清オステオカルシン高値などがあることも発表している。

 今回の演題では、RA患者において骨密度が1年間でどれぐらい減少するのかを検討し、さらに骨密度の変化に影響する因子を明らかにした結果を報告した。

 対象は湯河原厚生年金病院リウマチ科を受診したRA患者317人。男性が35人、女性が282人だった。平均年齢は62.8±10.2歳(25-84歳)で、罹病期間は13.4±9.6年(3カ月〜44年)、生物学的製剤はインフリキシマブ(IFX)が50例、エタネルセプト(ETA)が68例、非使用が199例だった。

 観察開始時と1年後の骨密度を測定し、その変化を検討した。その結果、観察開始時を「1」とした場合、大腿骨頚部(n=292)では、0.970±0.073(95%信頼区間;0.961-0.978、p<0.0001)となり、3.0%の骨量減少が起こっていることが明らかになった。

 また、骨密度変化に影響する因子を多重ロジスティックモデルによる多変量解析を行ったところ、大腿骨頚部で検討した場合、RA患者の骨密度増加に影響する因子は、腰椎圧迫骨折がないこととIFXを投与していることが抽出された。

 広範囲の大腿骨頚部で検討した場合は、1カ月以上の入院がないこととプレドニン平均投与量が少ないことが抽出された。一方、腰椎(L2-L4)で見た場合は、ビスホスホネートの投与が浮かび上がった。

 なお、大腿骨頚部、広範囲の大腿骨頚部、腰椎で、骨密度増加に関与する因子が異なっていた点については、今後、詳細に検討する意向だ。

(日経メディカル別冊編集)