岩手医科大学呼吸器アレルギー膠原病内科の小林仁氏

 シェーグレン症候群では口腔や眼の乾燥症状がほぼ必発する。唾液分泌を促進する塩酸セビメリンを用いても口腔乾燥症状が改善しない無効例に対して、アズレンスルホン酸ナトリウムを含むうがい液を使用させたところ、水道水によるうがいに比べ、有意な改善が認められた。岩手医科大学呼吸器アレルギー膠原病内科の小林仁氏らが、7月17日から20日まで神戸で開催されている日本リウマチ学会(JCR2011)で発表した。

 小林氏らは、自科に外来通院中で、口腔乾燥症状があるシェーグレン症候群患者のうち、塩酸セビメリンを服用しても十分な改善が得られない15人(女性14人、男性1人。平均56.1歳:33-73歳)を対象とした。

 試験はクロスオーバーデザインで、最初4週間、自宅の水道水で1日数回うがいし、引き続く4週間はアズレンスルホン酸ナトリウム4%うがい液で1日数回うがいしてもらった。

 口腔乾燥感、飲水切望感、口腔疼痛感、話しやすさについて、VAS(visual analog scale)値で比較したところ、4週間の水道水によるうがいでは、どの項目も有意な変化は見られなかった。アズレンスルホン酸ナトリウム4%うがい液による4週間のうがいの後は、話しやすさ以外の3項目は、ベースラインに対し、有意に改善していた(いずれもp<0.05)。

 うがいの回数の週ごとの平均値を開始1週目と比較したところ、水によるうがいの期間中は5.5〜5.6回/日で変化はなかったが、後半のアズレンスルホン酸ナトリウム4%うがい液を用いた期間中には4.5〜5.0回/日と有意(p<0.05)に減少し、乾燥感が改善したことをうかがわせる結果だった。

 ベースラインと4週目、8週目に、ガムをかんで10分間に出る唾液の重量を測定するガム試験を実施したところ、ベースラインでは8g台だったものが4週目に10g弱、8週目には11g台と増加する傾向が認められた。

 小林氏は、「試験結果としては示さなかったが、8週目の試験終了後、再び水によるうがいに切り替えたところ、口腔乾燥感や飲水切望感、口腔疼痛感などのVAS値が再び悪化する傾向がみられた」という。

 これらの結果から同氏らは、塩酸セビメリンで口腔乾燥症状の十分な改善が得られないシェーグレン症候群患者では、アズレンスルホン酸ナトリウムによるうがいは有効な可能性が示唆されるとした。

(日経メディカル別冊編集)