筑波大学大学院疾患制御医学専攻臨床免疫学の鈴木 豪氏

 関節リウマチRA)の診断では、関節破壊を早期に検出できる簡便かつ客観的な方法の開発が望まれる。4月23〜26日に東京で開催された第53回日本リウマチ学会総会・学術集会のシンポジウムでは、筑波大学大学院疾患制御医学専攻臨床免疫学の鈴木 豪氏が、コンパクトMRIを用いたRA診断の妥当性を検証した結果を報告した。

 RAではwindow of opportunity(適切な治療タイミング)が存在し、より早くから生物学的製剤を導入するためにも、早期診断が非常に重要となる。画像診断は早期診断に重要なツールの1つだが、汎用されている全身用MRI装置は高価な上、予約から検査日までの期間が長い、座位では撮影できない、標準的評価法RAMRIS)が煩雑で、実地臨床での使用には現実的ではない、といった問題があって、RA診療においては広く普及していない。こうした問題への解決策として、四肢専用のコンパクトMRIの開発には期待が寄せられている。

 四肢専用コンパクトMRIは、幅、奥行き、高さがいずれも1m程度のコンパクトな装置で、設置に必要な面積は4m2である。手関節ならば座位での測定が可能で、T1画像で7分強、STIR画像でも10分弱で撮像できる。

 RAMRISを簡便にしたコンパクトMRI用スコア(cMRIS)も考案されており、手関節とPIP関節の総骨びらん点数、総骨髄浮腫点数、総滑膜炎点数に係数(順に1.5.1.25.1.0)を掛けたものを合算して求める。

 鈴木氏らはまず、コンパクトMRIスコアによる画像的効果判定が臨床的効果判定と相関するかどうかを検討するため、抗TNFα薬が投与されたRA患者13例を対象に、DAS28スコアの変化とコンパクトMRIスコアの変化の関連性を評価した。

 結果として、DAS28スコアによる臨床的効果判定と、コンパクトMRIスコアによる画像的効果判定には相関性が認められた。しかし、DAS28スコアでは寛解に近い状態で経過していた症例の中に、コンパクトMRIスコアでは悪化している症例が存在した。

 次に鈴木氏らは、RA患者3例を対象に、コンパクトMRIスコアを用いて、コンパクトMRI画像と全身用1.5TMRI画像(造影)の比較を行った。

 コンパクトMRIから得られたスコアと全身用1.5TMRIのスコアを比較したところ、全体としては、コンパクトMRI画像による評価は造影1.5TMRI画像による評価と良好に一致していた。

 以上の検討から鈴木氏は、RAの日常診療において、コンパクトMRIは全身用1.5TMRIと同様に有用であると述べ、疾患活動性を総合的に評価するためには、DAS28スコアによる臨床的評価とともに、コンパクトMRIによる画像的評価の実施が望ましいと語った。