東京都立府中病院リウマチ膠原病科の永井佳樹氏

 関節リウマチ(RA)のER受診理由について調べた研究で、感染症と整形外科疾患が半数を超え、なかでも肺炎と転倒による骨折が多いことが分かった。ER受診者は非受診者に比べ、ステロイドの使用率が高く、それがER受診に関連している可能性も示唆された。東京都立府中病院リウマチ膠原病科の永井佳樹氏らの研究成果で、4月23日から26日まで東京で開催された第53回リウマチ学会総会・学術集会で報告した。

 永井氏らは、同院リウマチ科のデータベースに登録されたRA患者のうち、2007年1月1日から12月31日までに都立府中病院のERを受診したのべ220人(患者数172人)について、受診理由を調べた。また、ER非受診のデータベース登録RA患者187人を対照群として、両群の特性と使用薬剤などを比較した。

 ERの受診理由としては、感染症が31%(69人)と最も多く、整形外科疾患がそれに次いで25%(56人)と多かった。以下、神経内科疾患(13%)、循環器疾患(11%)、消化器疾患(10%)の順だった。

 感染症では肺炎が25%(17/69人)と最も多く、上気道炎・気管支炎の19%が次に多かった。整形外科疾患では、転倒が41%(23/56人)と4割を占め、しかもその7割(16/23人)が骨折だった。

 ER受診群と非受診群を比較すると、平均年齢はそれぞれ68.0歳、62.7歳、罹病期間は15.0年、12.4年で、ER受診群は有意に高齢で罹病期間が長かった(p<0.001、p<0.038)。

 使用薬剤については、ステロイド服用ありが、ER受診群の72.7%、非受診群の44.4%で、受診群で有意に多かった(p<0.001)。プレドニゾロン換算のステロイド用量をみると、受診群4.17±4.04mg、非受診群2.24±2.71mgで、受診群が有意に多かった(p<0.001)。NSAIDsの使用ありは、受診群が68.6%、非受診群では56.8%で、受診群が有意に多かった(p=0.022)。

 一方、メトトレキサート(MTX)使用の有無は、ER受診群が41.9%、非受診群では58.8%で、非受診群の使用が有意に多かった(p=0.0013)。生物学的製剤を含むその他の抗リウマチ薬については、有意な差を認めたものはなかった。

 永井氏らはこれらの結果から、「RA患者では、ステロイド剤の使用がER受診率を高めている可能性があり、MTXなどの使用によってRAの活動性をコントロールし、ステロイドを減量する必要性があるのではないか」と考察していた。