産業医科大学第1内科学講座の名和田雅夫氏

 インフリキシマブの導入により一定期間の寛解が持続できれば、本剤を中止してもなお寛解が維持され、ドラッグフリーに至る可能性が示唆されている。4月23日から26日にかけて東京で開催された第53回日本リウマチ学会総会・学術集会で、産業医科大学第1内科学講座の名和田雅夫氏が、インフリキシマブが中止できた症例、ドラッグフリー寛解となった症例の特徴について報告した。

 名和田氏らの施設では、インフリキシマブ投与4回目(14週後)から、疾患活動性に応じて、併用するステロイドNSAIDsメトトレキサートMTX)以外のDMARDsを順次減量・中止した後、24週間以上寛解(DAS28スコア<2.6)を持続した症例では、インフリキシマブの投与中止を試みている。

 同施設のインフリキシマブ投与例は348例にのぼり、寛解導入率は投与6カ月で27.8%、12カ月で30.4%と、約3割の症例が寛解に至っている。インフリキシマブの投与を中止できた39例の患者背景は、罹病期間5.3年、年齢53.7歳で、Stage 2および3がそれぞれ全体の51%および28%、平均ステロイド投与量は1.2mg(プレドニゾロン換算)/日、DAS28は6.3であった。

 インフリキシマブ中止例と継続例の患者背景を比較したところ、中止例では罹病期間が有意に短く(64.2±77.1 vs 96.6±103.4カ月、p=0.020)、Steinbrockerステージ分類が有意に低く(2.1±0.7 vs 2.5±0.9、p=0.015)、ステロイド投与量が有意に少なかった(プレドニゾロン換算で1.2±2.0 vs 2.5±3.1mg/日、p=0.011)。

 また中止例では、インフリキシマブ導入前に比べ、中止時点におけるシャープスコアの年間進行度が有意に低く、中止後の1年間にも関節破壊の進行は認められなかった。身体機能(HAQ-DI)についても同様で、インフリキシマブ投与により機能的寛解(HAQ<0.5)に到達し、インフリキシマブ中止後も1年間、機能的寛解を維持した。

 さらに名和田氏らは、インフリキシマブ中止後、疾患活動性に応じてMTXを1mg/週ずつ減量し、MTX中止を目指した。その結果、39例中5例でMTX中止を達成(ドラッグフリー)、12例ではMTXを減量できた。7例が再燃したが、ドラッグフリー症例と再燃例の背景を比較したところ、前者は年齢が若く(44歳、p=0.02)、インフリキシマブ中止時のリウマトイド因子(RF)が9.1と有意に低かった(p=0.02)。

 再燃例への対応として名和田氏らは、DAS28-ESRが5.1以上、あるいはHAQ-DIが1以上になった場合を目安にインフリキシマブの再投与を行っている。これに達していない症例では、MTXの増量かDMARDs併用により、疾患コントロールは十分可能であるという。

 名和田氏は以上の検討から、罹病期間およびステージが早期で、インフリキシマブ導入前に十分量のMTXを使用しており、ステロイド投与量が少ない症例ではインフリキシマブの投与中止が、さらに、インフリキシマブ中止時に比較的年齢が若く、RF値が低い症例ではドラッグフリーに至る可能性が高いと考察した。