亀田メディカルセンターリウマチ膠原病アレルギー内科の中下珠緒氏

 高齢、または既存の肺病変がある関節リウマチ(RA)患者では、生物学的製剤使用時の呼吸器疾患発症リスクが高まる可能性が示された。亀田メディカルセンターリウマチ膠原病アレルギー内科の中下珠緒氏が、2009年4月23日から26日まで東京で開催されている第53回日本リウマチ学会総会・学術集会で発表した。

 同氏らは、亀田メディカルセンター通院中のRA患者で、生物学的製剤を使用した患者のうち、経過観察中に間質性肺炎などの呼吸器病変を併発した患者群と、非併発患者群を比較し、呼吸器病変のリスク因子を解析した。

 対象は、2004年3月から2008年12月までに同病院を通院中の男性RA患者39人、女性RA患者111人の合計150人。対象患者の平均年齢は59.5歳(18-82歳)。使用した生物学的製剤の内訳は、インフリキシマブ(IFX)92人、エタネルセプト(ETN)65人、トシリズマブ(MRA)20人、アダリムマブ(ADA)3人であった。また、複数の生物学的製剤を利用した患者が22人いた。

 入院を必要とした重篤な呼吸器感染症を併発した患者は15人(10%)だった。この15人の患者の平均年齢は67.1歳で、非呼吸器感染症併発群の56.7歳に比べて、有意に高齢だった(p<0.01)。また、既存の肺病変がある場合、ない場合に比べて呼吸器感染症が併発しやすかった(p<0.05)。投与薬剤の種類や投与期間による差は見られなかった。

 間質性肺炎の発症/増悪は、6人(4%)の患者に認められた。これら6人の患者の平均年齢は68.7歳で、間質性肺炎の発症/増悪が見られなかった患者群の60.6歳に比べて高い傾向があった(p<0.05)。また、既存のリウマチ肺がある場合には、間質性肺炎の発症/増悪が有意に高いことが確認された(p<0.0001)。生物学的製剤の種類や投与期間による差は認められなかった。

 これらの結果から、中下氏は、高齢もしくは既存の肺病変が見られる患者では、感染症や間質性肺炎に注意が必要と結論した。