横浜市立大学の原良紀氏

 難治性全身型若年性特発性関節炎JIA)に対するヒト化抗IL-6抗体モノクローナル抗体トシリズマブの最長5年における長期効果と安全性が確認された。横浜市立大学など8施設が行ったトシリズマブの長期投与試験の結果で、横浜市立大学の原良紀氏が4月23日から26日まで、東京で開催されている第53回日本リウマチ学会総会・学術集会で発表した。

 トシリズマブは2008年にJIAを対象に保険承認されている。今回の調査は、トシリズマブのフェーズ2、フェーズ3臨床試験に参加後、長期投与試験に参加した67人と、長期投与試験から参加した61人の計128人を対象に行われた。トシリズマブは、2週間おきに8mg/kg投与、併用薬はステロイドのみとし、抗リウマチ薬、免疫抑制剤の併用は禁止された。

 試験開始時の患者の年齢中央値は9.0歳(2-34歳)。男児55人、女児73人。疾患罹患期間中央値は4.0年(0.1-26.0年)。平均投与期間78週だった。

 投与継続率は144週以降で90%以上となっていた。4人(3.1%)が完全寛解となり、ステロイド薬、トシリズマブとも中止可能だったという。

 また、ACR Pediを用いた疾患改善度評価では、約3分の2で90%の改善が得られていた。ACR Pedi 30/50/70の改善率は、それぞれ100%、98%、93%の症例で認められた。

 一方、115人(89.1%)において、なんらかの副作用が認められ、そのうち入院が必要な重篤な副作用は33人(25.8%)だった。有害事象と効果不十分のために投与が中止されたのは14人(10.9%)となっていた。投与中止の内訳は、有害事象が8人(6.3%)、抗トシリズマブ抗体陽性が5人(3.9%)、効果不十分が1人(0.8%)だった。死亡は2人で、死因は心筋アミロイドーシスと血球貪食症候群によるものであった。だたし、薬剤との因果関係に関しては明確ではないという。