東京女子医科大学東医療センター整形外科の神戸克明氏

 インフリキシマブ(IFX)は関節リウマチ(RA)患者に寛解を導入するだけでなく、寛解を長期にわたって維持し、IFX投与を中止することさえも可能である。東京女子医科大学東医療センター整形外科の神戸克明氏らは、同科において寛解後にIFX投与を中止しえた20症例を追跡し、その後の寛解維持と症状再燃を調査した結果、再燃にはIFX中止時のリウマトイド因子RAPA)が関与しており、RAPA陰性化後にIFXを中止すれば、長期にわたって寛解が維持される可能性があるとした。第52回日本リウマチ学会のワークショップで報告したもの。

 神戸氏らの施設では、早期から積極的にIFXを使用する方針をとっており、IFX投与症例はこれまでに268例を数える。また、CRP陰性、MMP-3陰性、かつDAS28<2.6の状態が6カ月以上維持できた患者にIFXの中止を試みることにより、寛解導入症例全体(132例)の15%に相当する20例の患者(うち男性3例)においてIFXを中止することができた。

 これら20例の患者背景は、平均年齢57.9歳、平均罹患期間90カ月であり、Stage IIが17例、Stage IIIが3例であった。中止までのIFX投与回数は平均7.1回であり、IFX中止時には全例がステロイドも中止されていた。

 IFX中止後6〜29カ月間(平均13カ月)の追跡において、20例中5例にCRPの再上昇を認めた。これら5例のうち4例はRAPA陽性であり、再燃を従属変数とするCox回帰分析においても、RAPA陽性が有意な独立変数として浮上した(p=0.022)。

 以上より、CRP陰性かつMMP-3陰性というこれまでの条件に加え、RAPA陰性をIFX中止の条件にすれば、IFX中止後にも長期にわたって寛解を維持できる可能性が示唆された。また、今回再燃を認めた5例のうち1例は、IFX投与回数が5回と少ない患者であったことから、「最初に十分なIFXを投与して疾患活動性を確実に抑えることも寛解維持のカギかも知れない」と神戸氏は考察していた。