京都府立医科大学大学院免疫内科学の濱口真英氏

 日本における慢性疲労症候群有病率は0.1〜0.4%程度と推定されてきたが、地域における人間ドックの受診者を対象とした大規模調査の結果、1.2%程度と、欧米並みかやや多い可能性が新たに示された。京都府立医科大学大学院免疫内科学の濱口真英氏らの研究成果で、第52回日本リウマチ学会において、4月22日開催のワークショップ「膠原病一般1」で報告された。

 濱口氏らは、岐阜市の朝日大学歯学部附属村上記念病院で、2006年9月から2007年8月までに総合健診センターの人間ドックを受診した約4000人のうち、1430人から調査の同意を得た。このうち、精神疾患慢性疲労を起こしうる内科疾患の現病歴を持つ102人を除外した1328人(男性811人、女性517人、平均年齢48.5歳)を対象とした。

 慢性疲労症候群の診断基準としては、他国との比較を前提に米国疾病対策センターCDC)の基準を採用した。対象者には、20項目の質問を4段階に自己評価する「自己評価式抑うつ尺度」(SDS)により、抑うつ傾向を評価したほか、アンケートで生活習慣を尋ねた。

 その結果、男性10人(1.2%)、女性7人(1.2%)が慢性疲労症候群と診断された。このうち、慢性疲労症候群と診断されて受診しているのは、男性2人、女性1人に過ぎず、男性で未受診の8人中5人と女性で未受診の5人中4人は受診を考えたこともなかったという。

 慢性疲労症候群の患者とそれ以外の対象者(対照群)を比較したところ、健診のすべての検査値について、有意な差は見られなかった。生活習慣のうち、飲酒、喫煙、運動についても有意差はなかった。

 一方、睡眠時間については、慢性疲労症候群患者では5.2±0.9時間、対照群では6.2±0.9時間と、慢性疲労症候群患者で有意に少なかった。抑うつ傾向についても慢性疲労症候群と対照群では有意な差がついた。

 本研究では人間ドックの受診者を対象としているため、対象者の年齢分布は一般人口の年齢分布とは異なる可能性があるものの、慢性疲労症候群の有病率は従来指摘されていたよりも高い可能性があり、反面、受診率は極めて低いことが示された。