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学会ダイジェスト:第52回日本リウマチ学会
2008年4月20日〜23日 札幌

2008. 4. 24

生物学的製剤への不安解消と安全な治療継続には看護師の介入が大切

宇田川 久美子=メディカルライター

関連ジャンル:
関節リウマチ

奈良県立医科大学整形外科病棟・外来の須賀喜文氏

 従来薬とは全く異なる作用機序をもつ生物学的製剤の導入に際し、多くの患者は不安を抱く。奈良県立医科大学で生物学的製剤を投与中の関節リウマチ(RA)患者に対して行ったアンケートの結果から、患者が安心・納得して最良の医療を受けられるように導くためには、看護師の適切な介入が重要であることが示された。同大学整形外科病棟・外来の須賀喜文氏らが、第52回日本リウマチ学会で発表した。

 アンケートは、年齢や病歴などの基本事項のほか、生物学的製剤による治療を開始したきっかけ、インフォームドコンセントの内容、説明を受けた内容の理解度、治療を開始した際の不安や心配事、治療開始後の変化、不明な点が生じた場合の対処法、看護師に対して望むこと・相談内容などについて尋ねるものとなっている。アンケート実施対象は38人(男性7人、女性29人)であり、うち36人から回答を得た(回収率95%)。

 使用薬剤の内訳は、インフリキシマブ(IFX)が26例、エタネルセプト(ETN)が10例であった。生物学的製剤治療を開始したきっかけは、両剤とも「主治医の勧め」がほとんどを占めた(IFX群84%、ETN群90%)。すなわち、大半の患者はそれまで生物学的製剤に関する知識をもたなかったものと考えられるが、約8割の患者は主治医の説明内容を聞いて「理解できた」と答えていた。

 また、IFX群の81%、ETN群の60%が「治療後の生活に(よい方向での)変化があった」と答え、治療への満足度は、IFX群の42%、ETN群の20%が「非常に満足」、IFX群の46%、ETN群の70%が「満足」と良好であった。

 患者が看護師に望むこととしては、約50%の患者が「治療や薬剤に関する補足内容」を挙げたほか、通院治療中の悩みや不安、生活面での相談を望む声も散見され、看護師を「頼れる存在」とみなして期待を寄せる患者の姿が浮き彫りにされた。

 実際、患者の多くが副作用や効果、治療費など、生物学的製剤に関するさまざまな不安について看護師に相談しており、主治医の説明が十分に理解できなかった場合の対処法としても、IFX群の12%、ETN群の50%が「看護師に聞いた」と回答していた。

 なお、ETN群の方が看護師に相談することが多いのは、ETNは自己注射であるため、看護師が指導に当たる機会が自ずと多くなるためと考えられた。

 以上のことから須賀氏らは、患者の安心感の獲得と安全な治療の継続に果たす看護師介入の役割はきわめて大きいと結論。「看護師は、患者の多様なニーズに応えるためにも、RAの治療や薬剤に関する知識を身につけることが大切」と述べた。

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