筑波大学人間総合科学研究科疾患制御医学専攻臨床免疫学の堀越正信氏

 インフリキシマブ(IFX)は、臨床症状および関節破壊を強力に抑制するが、まれに投与開始時に有効な例においても次第に効果の減弱を呈することがある。筑波大学人間総合科学研究科疾患制御医学専攻臨床免疫学の堀越正信氏らは、こうしたケースへの有用性が示唆されているミゾリビン(MZR)少量パルス療法など3つの「対策」の効果と安全性を検証。「他の生物学的製剤への移行を検討する前に試みる選択肢」の可能性を示した。研究成果は第52回日本リウマチ学会で発表された。

 今回検証された「対策」は、(1)メトトレキサート(MTX)内服時に少量(100〜150mg)のMZRを併用投与するMZRパルス療法、(2)IFX投与前にプレドニゾロン(PSL)10〜20mgを静注投与するPSL静注療法、(3)少数の残存腫脹関節へのステロイド関節内注射の3つである。堀越氏らは、IFXの効果減弱を呈した関節リウマチ(RA)患者のうち、11例にMZRパルス療法を、3例にPSL静注療法を、IFX奏効にもかかわらず単関節炎が残存した4例にステロイド関節内注射を試行した。

 MZRパルス療法を行った11例では、同療法開始後16週までに6例(55%)の患者がEULAR改善基準のmoderate response以上を達成。平均DAS28(ESR)は5.1から4.1へと有意に改善した(p=0.038)。

 なお、MZRパルス療法奏効例の男女比は4:2であり、母集団(男女比4:7)に比べて男性が多くを占めた。また、奏効例6例中5例はIFX初期治療への応答性良好(goodあるいはmoderate response)な患者であった。また、特記すべき副作用は認められなかった。

 以上のように、男性およびIFX初期治療に応答性良好の患者に対して、MZRパルス療法が有効である可能性があるのではないかと堀越氏らは考察している。

 また、PSL静注療法を行った3例では、2例が24週までにmoderate response以上を達成し、こちらも有効と考えられた。一方、ステロイド関節内注射を試みた4例では、疾患活動性の改善が得られた症例は1例にとどまったが、全例で腫脹の改善を認め、3例では疼痛の改善も認められた。

 これらの結果から堀越氏らは、上記の3つの治療はいずれも有効性が期待できる治療であると結論付けた。IFXを継続することにより関節破壊抑制効果が期待できること、また、コンプライアンスの面から、IFXの投与スケジュールが好ましい症例も多いことを指摘、「IFX抵抗例においては、他の生物学的製剤への移行を検討する前に(上記3つの治療法を)試みる価値があるのではないか」と述べた。