東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センターの中島亜矢子氏

 大規模コホート研究による関節リウマチRA)患者の生命予後に関するデータが、わが国で初めて明らかにされた。東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センターが2000年から続けている大規模前向きコホート研究であるIORRA調査の解析結果で、日本人RA患者の生命予後は日本人の一般人口に比べて不良と考えられるデータ。同センターの中島亜矢子氏が4月21日、第52回リウマチ学会のプレナリーセッションで報告した。

 今回の調査では、生命予後の指標として標準化死亡比SMR)が用いられた。SMRは、ある集団で観察された死亡数を、地域全体における基準死亡率(人口10万対死亡数)を対象地域に当てはめて算出した予測死亡数(期待死亡数)で割った値。1以上を示す場合、その集団の生命予後は全体より悪いことになる。

 SMRを用いてRAの生命予後を検討したこれまでのデータは、ほとんどが欧米の調査だ。それらの報告におけるSMRはおよそ1.6〜3.0。すなわち、RA患者の生命予後が一般人口より不良である点でほぼ一致しているが、わが国では一般的な背景のRA患者を対象とした大規模コホート研究は行われていなかった。

 IORRA調査は、6カ月ごとに、毎回5000例以上のRA患者の経過を調べている。中島氏らは今回、同調査に参加したRA患者7926例(女性6493例、男性1433例)を対象に、2000年10月〜2007年4月における死亡の時期、原因を解析した。対象症例の登録時の平均年齢は56.3歳、平均罹病期間は8.5年。

 中島氏によると、平均4.8年の観察期間中に死亡報告があったのは289例。さらに生死不明者の生命予後を勘案し、日本人RA患者のSMRはおよそ1.5〜2.0と推測された。つまり、RA患者の生命予後は一般人口に比べ、従来の欧米の報告と同程度に不良であることが示された。死亡報告のあった289例の死因は、悪性新生物、肺炎、脳血管障害、心筋梗塞、感染症、消化管出血などという順。肺炎では特に間質性肺炎が目立ったという。