埼玉医科大学リウマチ膠原病科の三由文彦氏

 従来、関節リウマチRA)はTh1型、SLETh2型の疾患などとされてきたが、リウマチ性疾患患者のサイトカイン・プロファイルを調べた新たな研究で、これまでの常識に対応したパターンを必ずしも示さないこと、生物学的製剤の投与後、各種サイトカイン量がむしろ増加することが分かった。埼玉医科大学リウマチ膠原病科の三村俊英氏らの研究グループの成果で、第52回日本リウマチ学会のポスターセッションで4月21日、同グループの三由文彦氏が報告した。

 研究グループでは、最近、IL-17を産生する細胞として新たに発見されたTh17に着目し、リウマチ性疾患患者の末梢静脈血を採取して、Th1Th2、Th17がそれぞれ産生する主なサイトカインであるインターフェロンγIL-4、IL-17を定量した。

 その結果、リウマチ性疾患全体に対して、ベーチェット病がTh1、Th17優位の分布を、SLEはTh2ではなくTh17優位の分布を示した。他の疾患に明らかなパターンを示すものはなく、RAは従来、指摘されていたような明らかなTh1優位は示さなかった。

 また、ELISA法を用いて、インフリキシマブの投与前後における患者末梢血単核細胞PBMC)中の各サイトカインの濃度を調べ、健常人と比較したところ、Th1、Th2、Th17が産生するサイトカインはいずれも投与前に比べて投与後には有意に増加していることが分かった。投与前、投与後2週目、投与後4週目を比較したところ、IFN-γは投与前に対して投与後4週目に、IL-4は投与前に比べて投与後2週目に有意に増加していた(いずれもp<0.05)、またIL-17は投与前に比べて投与後2週目(p<0.05)、投与後4週目(p<0.01)とも有意に増加していた。

 これらのサイトカインはいずれも投与前には健常人に比べて低く、投与後に増加して健常人のレベルに近づいていた。一方、全身性の炎症状態を示すCRP濃度と血沈はいずれもインフリキシマブ投与後には低下していた。

 生物学的製剤の投与とサイトカイン量の変化について三由氏は、「意外な結果であり、メカニズムの解明を目指している」としていた。