横浜市立大学附属市民総合医療センター・リウマチ膠原病センターの高瀬薫氏

 CTMRIの設置台数が人口比でOECD平均の数倍という“画像大国”の日本で、リウマチ分野に限ると、超音波検査を実施している医師は約22%と、英国の93%に比べ、極めて少ないことが明らかになった。全国のリウマチ専門医など医師200人を対象としたアンケート調査をもとにした研究成果で、横浜市立大学附属市民総合医療センター・リウマチ膠原病センターの高瀬薫氏が、4月21日に開催された第52回日本リウマチ学会のワークショップ「リウマチ性疾患の画像診断」で発表した。

 欧米ではリウマチ性疾患の画像診断に超音波検査が日常的に用いられているが、日本のリウマチ領域における使用実態や専門医の意識は明らかでなかった。そこで高瀬氏らの研究グループは、第1回のリウマチ画像診断研究会に参加した医師100人と、無作為に抽出した全国のリウマチ専門医100人を対象に、郵送法でアンケートを実施した。回収率は平均69.5%だった。

 回答者のうち、画像診断研究会の参加医師は、内科が約72%、整形外科が27%で40歳代が約28%で最も多かった。リウマチ専門医は内科が約57%、整形外科が40%で、50歳代が約43%と最多だった。また両群とも病院勤務医が9割前後を占めていた。

 超音波とMRIの実施状況を聞くと、MRIは研究会参加者の約91%、リウマチ専門医の約79%が「実施している」と答えていたが、超音波検査を実施していると答えたのは、研究会参加者の32.4%、リウマチ専門医の約11%に過ぎなかった。

 有用性の認識にも差がついた。MRIを「大変有用」としたのは研究会参加者の約64%、リウマチ専門医の約59%を占めたが、超音波について「大変有用」と回答したのは、研究会参加者の約28%、リウマチ専門医の約12%と低かった。

 ではなぜ超音波検査を行わないか、という問いに対しては、「技術が学べない」が回答の7割弱で最も多く、次いで「時間がない」が2位。超音波検査の実施率が低い理由として、医師の教育機会が不十分である可能性が示された。

 この点については、高瀬氏が示した英国との対比でも際立っていた。英国では84%が「講習会で学んだ」とし、独学は16%に過ぎなかったのに対し、日本では独学が56%を占め、講習会は4%(設問の回答者25人中1人)だけだった。

 一方、超音波検査の講習会への参加意欲に対する問いには70%が「参加を希望する」と答えており、高瀬氏は、「講習会などの教育機会の充実が、今後の超音波検査普及には重要」と指摘していた。