東京都老人医療センター膠原病・リウマチ内科の木村直樹氏

 高齢で発症する関節リウマチ(EORA)は急性発症の頻度が高いとされるが、急性発症EORAがどんな臨床像を示すのかは明らかではない。東京都老人医療センター膠原病・リウマチ内科の木村直樹氏らは、第52回日本リウマチ学会のポスターセッションで4月21日、急性発症EORAの臨床像を検討した結果を報告、「リウマチ性多発筋痛症PMR)様症状よりも多関節炎が主体である場合は急性発症EORAの可能性を考慮し、抗リウマチ薬の早期導入を検討すべき」と指摘した。

 関節リウマチRA)は一般に、30歳代から50歳代に発症することが多いが、最近はEORAが増える傾向にあるといわれる。EORAは急性発症が多いが、さらにPMR様症状を呈する症例やリウマチ因子陰性例が比較的高率に認められることが報告されている。実際に、臨床現場でEORAとPMRの鑑別に迷う症例もあるようだ。

 そこで木村氏らは、急性発症EORAの臨床像を調べた。2007年4月〜10月に都老人医療センター膠原病・リウマチ内科を受診した65歳以上の高齢RA患者は56例。このうち6例が、発症1カ月以内に、RAの機能分類基準で最も悪いクラス4まで進行した急性発症例だった。その他の50例中40例は、RAの診断指標として有用とされる抗CCP抗体が陽性、残る10例は陰性だった。急性発症例は全例65歳以上の高齢発症で、発症年齢の平均は79歳だった。

 この急性発症EORA群の臨床像を見ると、まず全例が抗CCP抗体陰性だった。また、典型的RAと考えられる非急性発症・抗CCP抗体陽性群に比べ、大関節発症、発熱、PMR様症状、胸鎖関節炎の頻度が有意に高かった。発症時に手指関節、手関節に腫脹が認められない症例も多かった。

 さらに、急性発症EORA群を非急性発症・抗CCP抗体陰性群と比べると、RAの疾患活動性には差がなかったが、CRP値は有意に高く、5関節以上の関節炎が高率だった。治療反応性にも差が見られ、急性発症EORA群ではメトトレキサートを早期に導入しなければ疾患活動性をコントロールできない症例が多数認められた。

 以上の結果から、木村氏は、「急性発症EORAは、関節炎を伴うPMRとの鑑別が困難で、抗CCP抗体で鑑別することも難しい。PMR症状よりも多関節炎が主体である場合は急性発症EORAの可能性を考慮し、抗リウマチ薬の早期導入を検討すべきだろう」と述べた。