国立国際医療センター膠原病科の清水亜理砂氏

 関節リウマチに対するTNF阻害薬の関節破壊抑制効果は、ビスホスホネート製剤を併用することで高まる可能性が示唆された。国立国際医療センター膠原病科の通院患者を対象にしたレトロスペクティブな検討の成果で、同科の清水亜理砂氏が第52回日本リウマチ学会のポスターセッションで4月21日に報告した。

 清水氏らは、2007年9月時点で外来治療を受けていた関節リウマチ患者で、生物学的製剤のインフリキシマブ、またはエタネルセプトを継続使用していた46例のうち、修正総シャープスコアmTSS)を算出可能だった31例を対象とした。そのうち副作用による脱落例と過去にビス剤の使用経験がある6例を除き、ビス剤使用群(9例)と非使用群(16例)を比較した。総シャープスコアは手足の関節間隙狭小化JSN:joint space narrowing)と骨びらんを評価する指標である。

 ベースラインの年齢、有症期間、治療期間、ステロイドMTXの投与量、CRPなどについて、両群間に有意差はみられなかった。

 治療の前後におけるmTSSと骨びらん、JSNの変化をみると、TNF阻害薬の単独投与群ではそれぞれ、13.63±5.87、5.06±2.41、8.56±4.03だったのに対して、TNF阻害薬とビスホスホネート製剤を併用していた群ではそれぞれ、−5.44±2.18、−0.56±1.44、−4.89±1.65であり、総シャープスコア、骨びらん、JSNのいずれについても有意な差がみられた。

 TNF阻害薬の単独投与群では不応症例が数例あり、これらが指標の平均値を引き上げた可能性もある。反面、ビス剤併用群では不応例がみられず、1年当たりのmTSSの変化をみると、全例で不変、もしくはマイナス(改善)だった。併用群の中には、ごく少数だが画像上、明らかに骨びらんの改善が確認できた例もみられた。

 今回の結果について清水氏は、「少数例における後ろ向き調査に基づくものであり、有効性と安全性を明らかにするには、前向き、無作為化試験の実施など、さらなる検討が必要」と述べていた。